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【業務】製缶品とは何か、プラントの中での役割は?

プラントを構成する重要な構造体の1つに製缶品があります。

この記事では製缶品とは何か、役割や手配の手順について解説します。

製缶品とは

製缶品とは、鉄やステンレスなどの金属を加工することで作られた容器や架台などの事を言います。

プラントは主に建築業者が作る建屋や空調設備、メーカーが作る機械、それらを繋ぐ配管や電線によって構成されますが、これらでカバーできない架台や簡易なタンクなどは特注仕様の製缶品によって補われます。

例えば、コンベヤなどの機器を据え付ける場合、コンベヤと最低限のメンテナンス歩廊はメーカーによって作成されますが、その歩廊と別のエリアを繋ぐ階段や手すり等は製缶品で作成されるというイメージです。

構造が簡易なタンクなどの場合、同じ仕様でもメーカーよりも製缶品として製缶業者に発注した方がコストを抑えられる場合もあるので、その場合は製缶品が採用される場合が多いです。

メーカーの作る機械とは違い、一から設計する必要があるため、製作図を作成する前に、周囲の環境を落とし込んだ綿密な計画図の作成が必要です。

製缶品の役割

製缶品の役割は主に次のようになります。

特注機器の製作

製缶品では機器メーカーが生産していないものを製作し、プラント全体の動線や機器同士の接続を成り立たせる必要があります。

製缶品として製作されるものには次のようなものがあります。

  • 配管ラック
  • 架台
  • ダクト
  • タンク
  • 特殊配管
  • 階段、手摺 等

架台やタンクだけではなく、大型のダクトなども規格品でない場合は製缶品が用いられます。

それぞれの機器が特注になるため、製作前に構造計算が必要であったり、詳細な計画図の作成が必要であったりと、設計に工数がかかるのが製缶品の特徴です。

コストダウン

メーカーの場合は工場で大量生産を行うため、複雑な機器でもコストを抑えることが出来ますが、逆に簡易な構造のものでは製缶品として作成した方が安くなる場合があります。

これらを踏まえて、プラントエンジニアリングメーカではコストダウンのために度々発注する機器をメーカー品から製缶品に切りかえる場合があります。

ただ、その分、検査方法の確立やトラブル時の対応が必要となるため相応のデメリットもあります。

製缶品の手配

製缶品は次のような流れで手配します。

計画図の作成

まず、周辺機器も含めた全体図が分かる計画図を作成します。

計画図には分割位置や接続の形状など、細かい情報は記載せず、大枠の形状が分かる情報を記載します。周辺機器との干渉や動線などを確保し、問題なければ計画図は完成です。

製作図の作成

次に作成した計画図を基に、部品をばらし、製缶業者が図面を見て加工できるレベルの製作図を作成します。

製作図は穴の位置や加工方法、溶接の仕方など、どの業者が見ても同じものが出来るような図面を作成します。

製缶業者への発注

製作図が出来れば、複数の製缶業者に相見積もりを出し、納期や費用を調整後発注を行います。

製作された製缶品は部品ごとに現場に届くので、現地で組み立てて完成です。

まとめ

  • 製缶品とは金属の加工された構造物のこと。
  • 機器メーカーが生産していないものを特注で製作する。
  • 計画図、製作図を作成し製缶業者に発注をする。

製缶品はプラントにおける非常に重要な役割を占めます。

何処までがメーカー品で、どこまでが製缶品なのか間違えないように注意が必要です。

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  • この記事を書いた人

エコおじい

プラント業界一筋のエンジニアです。「工業技術をどこよりも分かりやすく解説する」をテーマに2017年からブログ、Youtubeで情報発信をしています。保有資格はエネルギー管理士と電験三種です。

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