蒸気タービンの制御は用途によって様々ですが、大きく分けるといくつかのパターンに分類することが出来ます。
この記事では、蒸気タービンの制御方法についてまとめています。
蒸気タービンの制御方法
蒸気タービンの制御方法は大きく分けると次の4パターンに分かれます。
発電電力制御
発電用の蒸気タービンで最も多く利用されているのが発電電力制御です。発電機の出力が設定値になるように、ガバナ(制御弁)を開閉させ、蒸気タービンに供給する蒸気量を調整します。
主に売電を目的とした発電プラントで用いられます。発電機の出力を一定にする制御のためガバナの二次側や排気圧力は運転状況により成り行きになります。
また、蒸気タービンをポンプと接続して流体を圧送する場合には、流体の出口圧力を制御しますが仕事量を調整するという意味では同じ制御方法になります。
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回転速度制御
発電機が系統と解列し、プラントの自立運転を行う時は発電機の回転数が発電所内の周波数となるため、蒸気タービンは回転速度が一定になるように制御を行います。
減速機の減速比により設定値は変わりますが、50Hzの場合は発電機が1500rpm、60Hzの場合は1800rpmになるよう調整を行います。
回転速度制御の場合は、ガバナ二次側、抽気圧力は成り行きとなり、発電機の出力は所内の負荷と同じになります。
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排気圧力制御
背圧タービンを利用して、排気蒸気を工場などで利用する場合は排気圧力制御を行います。
排気圧力が一定になるため、安定した性状の蒸気を送気できますが、ボイラー出口圧力、発電機出力は成り行きになります。
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一次圧力制御
最後にガバナの一次圧力を一定になるよう調整する一次圧力制御があります。
この制御は、ボイラーの出口圧力を一定にしてボイラーの運転を安定させたい時に利用します。一次側の圧力を一定にすることで、ボイラーにて発生した蒸気量と同量を蒸気タービンに送気することとなります。
燃料性状が不安定、ボイラーの制御が緩慢といったトラブル発生時にこの制御を利用する場合が多いです。
まとめ
- 発電電力制御:送電を前提とした発電所などで利用する。
- 回転速度制御:周波数を一定にしたい時に使用する。
- 排気圧力制御:排気蒸気を工場などで利用する時に利用する。
- 一次圧力制御:一次圧力を制御してボイラーの運転を安定させたい時に利用する。
実際には、プラントの機器構成や運転状況によってこれらを組み合わせながら運転する場合が多いです。
また、接続先が発電機なのかポンプなのかによっても変わるので、何を優先したいのかを考えながら制御方法を検討しましょう。
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