温水器などのカタログを見ていると、「水道法に適用してます。」みたいな文言を見ることってありませんか?
しかし、ユーザーからしてみれば水道法に適用していると、どんなメリットがあるのかはよく分からないと思います。
今回は、水道法に適用されるとどうなるのか、ユーザーにとってどんなメリットがあるのか解説してみたいと思います。
1. 水道法とは?
水道法は厚生労働省が定める日本の法律です。以下引用したものです。
<所管府省:厚生労働省>
水道の布設及び管理を適正かつ合理的ならしめるとともに、水道を計画的に整備し、及び水道事業を保護育成することによって、清浄にして豊富低廉な水の供給を図り、もって公衆衛生の向上と生活環境の改善とに寄与することを目的とします。
(出典:Webilio辞典)
こちらの法律では、建築基準や水質基準などが、利用者が安全に水道水を飲用できるように細かく規定されており、定期検査も義務づけられています。
詳しくはWeb上に公開されている水道法のページをご覧ください。
温水器に関して、水道法が関係してくるのは「給水装置」に関する規定の箇所です。
水道法によると、第三条の9に規定されており、「この法律において「給水装置」とは、需要者に水を供給するために水道事業者の施設した配水管から分岐して設けられた給水管及びこれに直結する給水用具をいう。」となっています。
温水器が水道法の適用を受けるためには、認証機関に有償の検査を依頼する必要があります。
2. 適用することによるメリット
温水器が水道法に適用した「給水装置」となることで得られるメリットは以下の2点です。
- 市水配管に直接接続できる。
- 温水器の影響で温水が汚染されることがないという証明になる。
2-1. 市水配管に直接接続できる
一般的にビルなどに水を供給する場合は、貯水槽を設け、そこに水道配管の接続することになります。
この場合、水道法が適用される「水道」は市水配管からタンクまでの配管のことを言い、タンクから各蛇口へ送る配管は水道法には適用されません。
なので、温水器が水道法の適用外の場合、一旦タンクで受けた水を温水器に供給する必要があります。水道法に適用された温水器の場合にのみ、市水配管から直接温水器に水を供給することができます。
ただ、一般的には貯水槽を設けている場所の方が多く、直接、市水配管から水を持ってくる場合は少ないので、これが温水器の強みになるかといわれれば、そうとは言えないかと思われます。
2-2. 温水が汚染されない証明になる
メーカーとして、温水器が水道法に適用されているというアピールをしたい理由は主にこちらです。
水道法の第五条の3によると「水道施設の構造及び材質は、水圧、土圧、地震力その他の荷重に対して充分な耐力を有し、かつ、水が汚染され、又は漏れるおそれがないものでなければならない。」と規定されています。
温水というのは、実際の製品に投入されたり、製品と触れ合うものを洗浄したりと衛生面が非常に重要なです。
水道法に適用されているという事は、温水器が理由で温水が汚染されることがないということを外部機関によって認証されているという点にあります。
ただ、注意が必要なのが、出荷当時の温水器が水道法に適用されていたとしても、それを改造などでバルブを追加することになると、水道法適用外になる可能性があります。
市水配管に直接接続する場合は、メーカーに問い合わせる必要があります。
3. まとめ
メーカーのカタログにはよく、○○に適用!みたいな文言が良く載っていますが、ユーザーにとってはそれがどんなメリットがあるのかわかりにくいという事が多いと思います。
この「水道法適用」というのもその一つではないでしょうか?
「水道法適用」ということをアピールしたい営業の方や、温水器を検討されている方は参考にされてはいかがでしょうか?
今回の記事とは直接関係はありませんが、水道法について調べてみると面白い動画が出てきたのでこちらもよろしければどうぞ。古いマンション住まいの方にお勧めです。