熱交換器

オイルヒーターの電気代は高い?実際に計算してみた

巷で話題のオイルヒーターですが、電気代が高いという評判もあるため、実際のところどうなのかを計算してみました。

この記事では、オイルヒーターの電気代を計算する方法やエアコン、灯油ヒーターと比較してどうなるのかを熱計算の観点から解説しています。こちらの動画で会話形式でも解説しています。

オイルヒーターの原理

まず、オイルヒーターで部屋を暖めるのは次のようになります。

  1. 電気ヒーターでオイルを温める。
  2. オイルが循環してパネルが温まる。
  3. パネルからの放熱で部屋が温まる。

オイルヒーターという名前ですが、オイルまあくまで熱媒として使用されているだけで熱源は電気です。

電気は発電所にて作られますが、一般的なランキンサイクルの場合、燃料から電気に変わる効率は大体30%程度なので直接燃料を燃やす灯油ヒーターやヒートポンプ形式で大気の熱源を吸い上げるエアコンに比べて効率は著しく悪くなるということになります。

これは、オイルヒーターに限らず電気を使用したセラミックヒーターやハロゲンヒーターも同じです。この加熱効率の悪さから小さい部屋を暖めるのではなく、エアコンと同様の使い方をすると電気代が凄いことになるということです。

オイルヒーター、灯油ヒーター、エアコンで燃料のエネルギーを100とした場合の効率は大体次のようになります。

  • オイルヒーター:約30%
  • 灯油ヒーター:約90%
  • エアコン:約135%

単純に考えると、エアコンの4分の1ぐらいの効率になります。もちろん、これは定格での運転なので実際にはここまで差は開きませんが、それでもエネルギー的にはかなり不利な状況であることは変わりません。

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オイルヒーターの電気代を計算

さて、実際にオイルヒーターで部屋を暖めた場合、どの程度電気代がかかるのかを計算します。

まず、12畳のリビングで1日8時間、1ヵ月(30日)稼働させた場合を想定します。計算方法は次のような手順です。

  1. 昇温に必要な熱量を計算する。
  2. 放熱分のコストを計算する。
  3. 電力単価をかける。

まず、前提条件を整理します。

床面積:22m2、高さ:4m、初期温度:5℃、到達温度:20℃、空気の比熱1.006kJ/kgK at20℃、空気の密度:1.166kg/m3 at20℃、部屋の放熱:750W(※)

この条件で計算します。※放熱については断熱性能によって大きく変わるところですが今回は簡単のため、オイルヒーターを中運転すると想定して750Wと仮定しました。

昇温に必要な熱量を計算する

まず、部屋の昇温に必要な熱量を計算します。空気の密度と部屋の体積から空気の質量は次のようになります。

$$1.166×(22×4)≒103[kg]$$

これに比熱と温度差をかけることで必要な熱量を計算できます。

$$103×1.006×(20-5)=1548[kJ]$$

オイルヒーターの出力は1500W(5400kJ/h)なので、加熱時間は次の式で計算できます。

$$1548÷5400=0.29[h]$$

つまり、部屋が温まるまでの加熱時間は約17分ということになります。消費電力量は次のようになります。

$$1500×0.29÷1000=0.43kWh$$

放熱分のコストを計算する

次に、残りの7.71時間分の運転を考えます。これは断熱性能によって大きく変わるところなので出力中で運転すると仮定しています。この場合の消費電力量は次の式で計算できます。

$$750×7.71÷1000=5.78[kWh]$$

よって、昇温にかける電力量と放熱を補う電力量を合計すると

$$0.43+5.78=6.2[kWh/d]$$

ということになります。

電力単価をかける

電力単価は契約によって変動がありますが、25円/kWhと仮定して日数30日/月をかけると1ヵ月の電気代を計算することが出来ます。

$$6.2×25×30=4661[円/月]$$

よって月の電気代は4661円という結果になりました。

オイルヒーター以外の電気代

比較のため、オイルヒーター以外でも同様の計算を実施しました。条件は次のようになります。

【エアコン】消費電力:1160W、出力:4200W

【灯油ヒーター】消費電力:20W、出力:5000W、灯油の発熱量:36000kJ/L(65円/L)

これの結果を表にまとめると次のようになりました。

大体、オイルヒーターはエアコンの3倍というコストがかかることが分かると思います。

灯油ヒーターは最も安く乾燥もしにくいですが給油の手間や定期的な換気が必要になってくるので、エアコンとはいい勝負になるのではないかと思います。

これだけ、コストのかかるオイルヒーターが欧州で利用される理由は、セントラルヒーティングなどを用いるため、そもそも熱源が電気ではないというところが大きいようです。

貴重なエネルギー源の電気を加熱用途で利用する場合はこのような結果になってしまいます。

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まとめ

  • オイルヒーターの効率は30%程度。
  • 電気代はエアコンの約3倍。
  • 熱源が電気加熱の場合はどれも同じような結果になる。

メリットとして、風が吹かないので音がないなどがありますが、そのような特殊な場合を除いては電気代が1部屋当たりこれだけ上がるというのは理解して購入するのが良いかと思います。

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エコおじい

プラントエンジニアです。工業技術をどこよりも分かりやすく解説するをテーマに2017年から情報発信をしています。最近、Youtubeも始めました。応援していただけるという方は更新情報などを発信するので、Twitterのフォローお願いします。

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