【自動弁】自動弁の渋滞とはなにか、渋滞を示す条件は?
自動弁は、産業施設やプラントにおいて流体の制御や調整に不可欠な装置です。 しかし、長期間の使用や不適切な運用によって、自動弁に「渋滞」が発生することがあります。本記事では、自動弁の渋滞とは何か、そして渋滞を示す条件について詳しく説明します。 自動弁の渋滞とは 自動弁は、電気や空気圧、油圧などの力を利用して自動的に開閉や調整を行う弁で、流体の流量や圧力、温度を正確に制御できます。 自動弁の「渋滞」とは、自動弁の動作が遅くなったり、不安定になったりする状態を指します。これは、弁の開閉がスムーズに行われず、流体 ...
【自動制御】ショックリレーとは何か、目的や原理について解説
ショックリレーは、機械や装置に突発的なトルクや負荷がかかった際に、瞬時に感知し運転を停止させる重要な安全装置です。 この記事では、ショックリレーとは何か、作動原理、設定方法、サーマルリレーとの違いについて解説します。 ショックリレーとは ショックリレーとは、機械や装置に過大なトルクや負荷がかかった際にそれを感知し、機械を保護するために運転を停止させる安全装置です。 具体的には、モーターなどの駆動装置がゴミ噛みなどの予期せぬ過負荷状態になった時、ショックリレーがその異常を検出して回路を遮断し、機械を強制的に ...
【計装】パルス信号とステータス信号の違いとは
機械を操作したり、運転中などの状態を監視するためには、主にデジタル信号が用いられます。 これらのデジタル信号は大きく「パルス信号」と「ステータス信号」の二つに分類されます。この記事では、シーケンス制御を行う上で非常に重要な、この二つの信号の違いについて詳しく解説します。 パルス信号 パルス信号は一定の時間だけ存在する短い信号です。 例えば、「1秒パルス」という場合、信号は一度ONになると1秒間だけ電圧信号が送られます。この短期間の信号は、機械などの運転指令や停止指令など、特定の操作を行うトリガーとして使わ ...
【計装】コンデンスポットとは何か?役割は?
蒸気の流量や脱気器の水位を測る際に差圧伝送器などを使用すると、付属品として「コンデンスポット」が付いてきます。 この記事では「コンデンスポット」とは何かについて解説します。 コンデンスポットとは コンデンスポットとは圧力の検出器と配管を繋ぐ導管に設置される金属の容器のことを言い、上の図のように設置します。 コンデンス(condense)は「凝縮する」という意味なので、コンデンスポットの役割は蒸気を凝縮させる容器ということになります。 コンデンスポットの役割としては次のようになります。 蒸気を凝縮させて水( ...
【自動制御】レベル制御とは何か、特徴や方式について解説します
工場やプラントで最も良く利用されている制御の一つに液面の高さを一定に保つレベル制御があります。 この記事ではレベル制御とは何か、またレベル制御の方式や特徴について解説しています。 レベル制御とは レベル制御とは液体の供給量、又は吐出量を調整することによってタンクなどのレベル(液位)を制御することを言います。 タンク内のレベルを一定にすることで供給元や送り先の負荷変動を吸収することができ、プラントを安定稼働させることが出来ます。また、常に一定の条件でポンプなどを運転することができ、キャビテーションの防止にも ...
【計装】DI/DO、AI/AO、PI/POとは何か、信号の種類と使い分けについて
DCSや制御盤の設計を行う際に、別の機器との信号やり取りを表す言葉としてDI/DO、AI/AO、PI/POというものがあります。 この記事ではDI/DO、AI/AO、PI/POとは何かについて解説します。 DI/DO、AI/AO、PI/POの違い DI/DO、AI/AO、PI/POは他の機器とやり取りする信号の種類と方向を表す言葉です。DI信号であればDが信号の種類、Iが入出力の方向を表しています。 それぞれの信号のIとOはInputとOutputの略ですが、上の図のようにどちらから見るのかによってIとO ...
【自動制御】圧力制御とは何か、特徴や方式について解説します
工場やプラントで最も良く利用されている制御の一つに圧力制御があります。 この記事では圧力制御とは何か、また圧力制御の方式について解説しています。 圧力制御とは 圧力制御とは、文字通り配管や機器にかかるユーティリティやプロセスの圧力を一定にする制御でほぼすべての工場やプラントなどで良く利用されている制御です。 主にユーティリティを例にとると精度の高い圧力制御を行うことで次のようなメリットが得られます。 空気の圧力制御:制御弁などの制御性の向上 蒸気の圧力制御:一定温度での加熱、流量の安定性向上 水の圧力制御 ...
【自動弁】電動弁のリレー付きはどんなときに選ぶの?
電動弁を選定・購入する際、「リレー有・無」の項目があるのをご覧になったことはないでしょうか。 制御盤の中では見たことあるけど、という方も多いかと思います。今回は、電動弁になぜリレーを使うのかについて解説します。 リレーとは リレーとは、電気信号を他の電気信号につなげる役割を持つ装置のことで、継電器とも呼ばれています。 手元のスイッチと装置との配線の間にリレーを入れることで、安全対策、そして配線のコストダウンを行うことができます。 リレーには、有接点と無接点の2種類があります。 有接点リレーは、メカニカルリ ...
【自動制御】見ればわかる!リレーシーケンスの動きをアニメーションで分かりやすく解説
自動制御の一連の流れを理解するにはシーケンス図を読み解く必要があります。 今回は、その中でも比較的よく使われるリレーシーケンスの流れをアニメーションで解説したいと思います。シーケンス図の見方は何となくわかったけど、感覚的につかみづらいという方は、アニメーションを見ることで理解が一気に進むと思います。 シーケンス図の記号の読み方やシーケンス図とは何かという点については他のサイトで詳しく解説されているのでそちらを参照してください。 a接点、b接点 まずは最もシンプルなa接点、b接点についてです。a接点は電磁リ ...
【自動制御】インバータ制御って何?メリットデメリットは?
製造業の世界では、「インバータ制御で省エネ」なんて言葉をよく聞くのではないでしょうか。ところが電気分野が専門の方以外は、省エネどころか「インバータって何?」と思われる方も多いと思います。 今回は実際の導入検討も考慮してインバーターとは何か?について解説したいと思います。 動画でも解説しているので、動画のほうがいいという方はこちらもどうぞ。 インバータとは インバータとは、元の交流と異なる周波数の交流電気を発生させる装置のことを指します。語源のinvertは、逆さにする・反転させるといった意味の英語です。 ...
【自動弁】電動弁カタログの電流値ってどういう意味?
現場で使う電動弁のカタログを見て、「50VA」などの記載を見たことはありませんか? ポンプならともかく、電動弁に電流が流れるって少し不思議な感じがしますよね。 今回は電動弁の仕組みと、電流値について解説したいと思います。 電動弁とは 電動弁は電動のモーターが回ることにより、開閉を調整するバルブのことを言います。 多くの場合、全開か全閉の2パターンのみを想定していますが、バルブ形状によっては中間開度の調整ができ、制御弁のような役割を持たせたものもあります。 電気で駆動するので、対応する電圧が100V、200 ...
【自動制御】HART通信って何?メリットデメリットを詳しく解説してみた
制御機器などを現場で扱っていると「ハート通信」という言葉に出会うことがないでしょうか。 センサーと制御システムをつなげるネットワークの一つなのですが、扱わないと馴染みがない言葉です。今回はHART通信のメリットについて説明します。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 HART通信はフィールドバスのひとつ 産業分野において現場と制御システムをつなぐものをフィールドバスと言います。 バスは乗り物のbusから来ています。複数の機器データを、電線を通して相互輸送できる ...
【自動弁】空動弁に電磁弁が必要な理由、電動弁との使い分けは?
空動弁を電気信号で開閉させるためには、圧縮エアと電磁弁が必要です。 空動弁を選定する際には電磁弁を付けるかどうかがオプションになっている場合がありますが、そもそもなぜ空動弁を動かすのに電磁弁が必要なのでしょうか? 今回は、空動弁の作動に電磁弁が必要な理由について解説してみたいと思います。 空動弁とは 空動弁はエア式自動弁とも呼ばれ、圧縮空気の圧力で弁を開閉するバルブです。 自動弁の中では電気の力でモーターを用いて開閉を行う電動弁が一般的ですが、防爆エリアなど電気を嫌う場所では空動弁が用いられます。 空動弁 ...
【自動制御】DCSとは何か、メリット・デメリットについて解説します
製造業に身を置いている方は「DCS」という言葉に聞き馴染みがあるのではないでしょうか。 なんとなく「パソコンみたいなものでしょう」「大きな画面で見るやつね」と思っている方のために、今回はDCSとは何のために使われているのか解説したいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 DCSとは 検索エンジンでDCSと調べると、「Distributed Control System/分散制御システム」という答えが出てきます。 コントローラーと制御対象が1対1であっ ...
【自動制御】オンオフ弁を用いた二位置制御とは?比例制御とは違う?
オンオフ弁により、目的の値になるよう制御するオンオフ制御では二位置制御を利用する場合が一般的です。 この記事では二位置制御とは何かについて解説しています。 二位置制御とは 二位置制御とは、オンオフ制御で用いられる制御方式です。例えば、二位置制御で温度を50℃に制御し、しきい値を2℃で設けた場合、加熱源の供給は次のように行われます。 48℃で加熱源の供給開始 50℃で加熱源の供給停止 このように50℃という設定に対して、50℃丁度になるように制御するのではなく、少し幅を持たせ、2つの位置でオンオフを行うこと ...
【自動制御】プログラム制御って何?どんな時に使う?
製品の温度を制御する仕組みの一つに「プログラム制御」というものがあります。 フィードバック制御やフィードフォワード制御に比べ、少し複雑なイメージがありますが、実際には非常によく使われる制御方式の1つです。 ここでは、プログラム制御とは何か?どんな時に利用されるかについて解説していきたいと思います。こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 プログラム制御とは? プログラム制御はコトバンクによると「時間的に変化する量に対して、コンピューターにあらかじめ記憶させたプログラ ...
【自動制御】流量制御って何?流量を一定にする仕組みは?
配管やダクトに流れる流体の量を一定にする制御方式として流量制御があります。 流量制御は工場などで一般的に利用されていますが、温度制御や圧力制御とは違い、流量計を用いて制御を行うので少しイメージがわきにくいという方もいるかと思います。 今回は、一般的な流量制御の仕組みについて書いていきたいと思います。 1. 流量制御とは? 流量制御は、流量計と比例制御弁(またはダンパー等)を使って流れる量を一定にする制御方式です。 手動バルブと流量計で制御した場合、制御弁の一次側、二次側条件の変動や流量変更をすぐに行うこと ...
【自動弁】自動弁に「スピコン」はなぜ必要?スピコンの役割とは
エア駆動の自動弁を選ぶ際に「スピードコントローラー」を付けるかつけないかというオプションがあると思います。 良く略して「スピコン」などと呼ばれます。 では、スピコンはなぜ必要になってくるのでしょうか? この記事では、スピコンとは何か?スピコンは何のために利用するのかについて解説していきたいと思います。 1. スピコンとは? スピコンはスピードコントローラーの略で、自動弁の開閉速度を調整することのできる部品です。 名前はかっこいいですが、機器自体はエアの量を調整するだけの簡易な物です。 一般的にエア駆動式の ...
【自動弁】リミットスイッチとは?目的や用途を解説
自動弁を選ぶときにオプションで「リミットスイッチ」を付けるかどうかを選択できる場合があります。ただ、初めて選ぶときには、何のためにリミットスイッチを付けないといけないのか分からないという方もいると思います。 この記事では、リミットスイッチとは何か?設置する目的について解説してみたいと思います。 リミットスイッチとは? リミットスイッチは、自動弁などに開閉信号を送った時にバルブが機械的に動いたかどうかを確認するための機器です。機械的にスイッチを押せば接点が入る仕組みになっています。 リミットスイッチがなけれ ...
【自動制御】比率制御って何?どんな時に使うの?
プラントでの代表的な自動制御方法の1つに「比率制御」があります。 この記事では比率制御とは何か?どんな時に利用されるのかについて書いていきたいと思います。 比率制御とは? 比率制御は測定したAの流量に対してBが一定の比率になるように制御することを言います。比率制御を行うにはそれぞれのラインに流量計を設置して流量を測定する必要があります。 比率制御が利用される場面は非常に限られており、バーナーの空気量制御が代表的です。 例えば、ボイラーのバーナーに供給する空気量を制御する場合、次のステップで制御を行います。 ...
【自動制御】蒸気の流量制御と圧力制御の違いとは?
蒸気の流れを制御するときに、代表的なもので圧力制御と流量制御があります。どちらも制御形式が似ているので良く混同されてしまいます。 圧力制御と流量制御は何が違うのでしょうか?今回は、圧力制御と流量、制御の違いやその使い分けについて書いてみたいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 1. 圧力制御と流量制御の違い 圧力制御と流量制御は言葉の通り、制御弁二次側の圧力を一定にする制御か制御弁を流れる流量を一定にする制御かの違いです。 大半は圧力制御が利用され ...
【自動制御】スプリット制御とは?どんな時に使うの?
プラントで良く利用される制御の1つにスプリット制御というものがあります。 今回はスプリット制御について解説していきたいと思います。 1. スプリット制御とは? スプリット制御とは1つの制御信号で2つ以上の異なる要素を制御することを言います。具体的には、調節計1つで2つ以上のコントロールバルブ(制御弁)の動きを制御する方法になります。スプリット制御を行うための調節器のことをスプリット演算器などと呼びます。 スプリット制御の内容を表すために、下のような図が用いられます。 例えばこのような図の場合は、1つ目のコ ...
【自動制御】PID制御とは?P、I、Dの意味と調整方法
流量、温度、圧力などの調整を行うために、いろいろな自動制御パターンがありますが、その中で最もよく使われているものにPID制御があります。 普段聞きなれない言葉で、どうしても制御の話の中でも理解できない分野なので、苦手意識を持っている方も多いかと思います。 今回は、プラントの自動化に欠かすことのできないPID制御について解説したいと思います。 1. PID制御とは? PID制御は、主に調節計を用いた自動制御を行う際に使用される制御方法です。 PID制御を使えば、水を一定の温度に加熱する、油を一定量流し続ける ...
【自動制御】カスケード制御。外乱の影響を受けにくい理由とは
プラントや工場で自動化を進めていると「カスケード制御」という言葉を聞くことはないでしょうか? フィードバック制御やフィードフォワード制御については、イメージ的に理解しやすい方も多いと思いますが、フィードバック制御を複数組み合わせるカスケード制御は理解しにくい制御方式の一つです。 今回は、カスケード制御とは何か、メリットやデメリットについて解説してみたいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 カスケード制御とは? カスケード制御は、二つの制御ループ(マ ...
【自動制御】フィードバック制御とフィードフォワード制御の違い
フィードバック制御とフィードフォワード制御の違いって分かりやすく説明できますか? フィードバック制御とフィードフォワード制御は名前が似ていますが全然違います。 今回はフィードバック制御とフィードフォワード制御は何が違うのか解説してみたいと思います。 1. フィードバック制御とフィードフォワード制御の違い 1-1. フィードバック制御 「フィードバック」とは、「与えたもの(Feed)」が「返ってくる(Back)」という意味で、何かをしたことに対する評価が返ってくるという事を指します。 つまり、フィードバック ...
【自動制御】電流信号とパルス信号の違いって何?
圧力、温度、流量などの値をセンサーなどの機器間でやり取りする場合、電流信号やパルス信号を用いて制御を行うのが一般的です。 この記事では電流信号(4-20mA)とパルス信号の違い、使い分けについて解説します。 電流信号(4-20mA)とは 電流信号(4-20mA)はアナログ信号と呼ばれ、主にセンサーからの測定値の入力、制御値の出力などに利用されます。 例えば、温度を測定する場合、温度センサーの測定レンジが100℃以上のものを選定し、0℃の時は4mA、100℃の時は20mAの電流が流れるように調節計で設定しま ...