【燃料】A重油、B重油、C重油の違いとは?
安くて大量のエネルギーが得られる重油は、昔から工場や発電所などで多く利用されています。今では天然ガスやLPガスが増えてきて大分減りましたが、以前まではほとんどのボイラーが重油炊きでした。 重油というと、大型タンカーが輸送中に事故に合い、環境が破壊されるなんて話もよく聞くかと思います。 ところで、この重油は性質によって3つの種類に分けられるということはご存知でしょうか?今回は、エネルギー管理士試験でも頻出の重油の種類について解説したいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという ...
【燃料】気体燃料とは何か。種類や特徴について解説します
工場やプラントで燃料として使用するためにはいくつかの条件を満たす必要があります。 それらを満たした燃料として、よく使用されるもので大きく、気体燃料、液体燃料、固体燃料の3つに分けることができ、用途や情勢によって使用する燃料が変化します。 今回は、気体燃料について、その種類や特徴について記載していきたいと思います。 気体燃料とは? 気体燃料とは、燃焼によってエネルギーを得るために使用される気体状態の燃料の総称です。 代表的な気体燃料には、天然ガス、プロパン、ブタン、水素などが含まれます。これらの燃料は、主に ...
【燃料】燃料とは何か、種類や求められる条件とは?
工場やプラントでは、日々大量の燃料を燃焼させることでエネルギーを得ています。最近では、再生可能エネルギーの割合も増えてきましたが、それでも全体の割合だとわずか3%程度で、まだまだ化石燃料の重要性は以前と変わっていません。 ただし、燃焼させて熱を得るという目的は同じでも、燃料には様々な種類があり、それぞれに特徴があります。今回は、燃料とは何かについて解説します。 燃料とは 燃料とは、化学的または物理的なエネルギーを貯蔵し、それを必要に応じて放出する物質を指します。 燃料の主な役割は、エネルギーを効率的に供給 ...
【熱機関】コージェネレーションを導入するメリット、検討条件は?
大型の工場では、事業継続性などの観点でコージェネレーションを導入する事業者も増えています。 コージェネレーションを利用すれば、割高に購入している電力を割安に自前で作り出すことが出来るので、工場全体のエネルギー原単位を下げることができます。 今回は、コージェネレーションのメリットや検討するのに必要な条件について考えてみたいと思います。 コージェネレーションとは? コージェネレーションとは、ガスタービン、ガスエンジン、ディーゼルエンジン、燃料電池などを用いて電気を発生させたのち、その排熱を利用して蒸気や温水を ...
【燃料】低温腐食と高温腐食の違いとは?
ボイラーの燃焼室、過熱器などの燃焼装置では、燃料に含まれる物質が原因で配管や熱交換器を腐食させることがあります。 この腐食には「高温腐食」と「低温腐食」の2種類があり、それぞれの発生要因や対策が違います。 今回は、燃焼装置で注意するべき「高温腐食」と「低温腐食」の違いについて書きたいと思います。 高温腐食と低温腐食の違い 高温腐食と低温腐食の最も大きな違いは、読んで字のごとく腐食が発生し始める温度です。 高温腐食では、成分にもよりますが大体500℃以上、低温腐食では120℃程度で発生し始めることが多いです ...
【燃料】ボイラの燃料には何がいいの?燃料の種類と特徴について
多くの工場で最も多くエネルギーを使用する機器はボイラーです。 ボイラーのに使用される燃料は、その時の燃料にかかるコストなどを考えながら計画されますが、その種類は様々です。 今回は、ボイラーに使用される燃料の種類とその特徴について書きたいと思います。 1. 燃料とは? 燃料とは、一般的に酸素との燃焼によって光源,熱源または動力源として利用できる物質の総称です。 燃えて熱を発生させれば、その熱で蒸気を作れるため、燃えるものであれば何でも燃料として扱うことが出来ます。 但し、現実的な問題で、環境汚染や灰の処理な ...
【空気】絶対湿度と相対湿度の違いとは
紅葉の季節になり、気温が下がることで空気が乾燥してきました。 空気が乾燥してくると、粘膜の力が弱まるため、風邪をひきやすくなります。 皆さんは乾燥対策をしっかりされているでしょうか? さて、今回は湿度について考えていきたいと思います。 空気中の水分量を表す「湿度」。 普段何気なく使っている指標ですが、ちゃんとした定義を説明できますか? 今回は、「湿度」の中でも「絶対湿度」と「相対湿度」の違いについて記載してみたいと思います。 1. 湿度とは? Wikipediaによると「湿度」 ...
【空気】洗濯物を早く乾かすには?原理と対策を科学的に解説
洗濯物ってどうして乾くの? そう思ったことってありませんか? 水が沸騰して水蒸気に変わるのは何となくイメージできますが、天日干しや乾燥機で乾かす場合は100℃にして沸騰させているわけではありません。 今回は、何となく分かっているようで聞かれるとうまく説明できない洗濯物の乾燥の原理を科学的な観点で解説してみたいと思います。 1. 洗濯物は乾いた空気に触れることで水分が気化する 空気には水分を含まない乾き空気と水分を含んだ湿り空気というものがあります。 空気は温度ごとに保有できる水分の量が決まっており、その温 ...
【蒸気】減圧すると乾き度が上がる?過熱になる?
蒸気の流量を減圧弁やバルブなどによって絞ると、蒸気の乾き度が上昇したり、過熱蒸気になったりします。 その理由は、流量を絞ることで出口側の圧力は下がりますが、通過するエンタルピー(熱量)が一定だからです。 エネルギー管理士試験では、蒸気の絞り特性として出題されることがありますが、今回の記事では、蒸気を減圧することで乾き度が上昇したり、過熱蒸気になったりする理由を解説してみたいと思います。 減圧する蒸気が湿り蒸気の場合は乾き度が上がり、乾き蒸気の場合は過熱蒸気になります。 こちらの記事は動画でも解説しているの ...
【熱機関】ランキンサイクルとは?わかりやすく徹底解説します
ランキンサイクルはクラウジウスサイクルとも呼ばれ、発電所などで蒸気を使用し、燃料エネルギーから電気を発生させるための熱サイクルです。 非常にメジャーで、多くの発電所ではランキンサイクルを利用して発電を行っています。この記事では、ランキンサイクルとは何か、効率や種類について解説したいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 ランキンサイクルとは? ランキンサイクルは蒸気を使って電気を発生させる際に利用される熱サイクルです。火力発電、原子力発電、バイオマス ...
【熱力学】SI単位?組立単位?熱計算に必要な色々な単位について
熱や電気の計算をするうえで絶対に欠かせないのが様々な「単位」です。 「単位」が理解できていないと、その数値が一体何を表しているのかわかりません。逆に「単位」について深く理解できていれば、そこから計算式を組み立てることも可能なので非常に有利になります。 今回は、この覚えるのが厄介な「単位」について詳しく解説してみたいと思います。 1. 単位とは? 「単位」というのは、ある量を数値で表す際の基準となる約束された量です。 単位という基準を皆がそれぞれ共通認識として知っているから、量を言葉で表すことができます。単 ...
【空気】空気の比熱、温度を上げるのに必要な熱量は?
ガスや電気、蒸気などの熱源を使って、空気を温めるエアヒーターなどではユーティリティの消費量がわからず、エネルギー消費量が把握できない場合があります。 今回は、空気の比熱から熱容量を計算し、消費エネルギーを計算する方法を考えてみたいと思います。 空気の比熱とは? 空気の比熱は「空気の温度を1℃上昇させるのに必要なエネルギー」で温度や圧力によって変わってきます。ここでは、簡単のため大気圧下での空気の比熱を見てみます。 温度 [℃] 密度 [kg/m3] 比熱Cp [kJ/kg℃] 0 1.251 1.005 ...
【燃料】高位発熱量と低位発熱量の違いとは
ボイラー効率や燃料単価などを計算する場合には、各燃料が保有するエネルギーの値を使います。このとき、燃料の熱量を表す値には「高位発熱量」と「低位発熱量」と呼ばれるものがあります。例えば、A重油の高位発熱量は45.2MJ/kg、低位発熱量は42.7MJ/kgです。 では、この「高位発熱量」と「低位発熱量」の違いは何でしょうか?今回は燃料のもつ2つの発熱量の違いについて解説してみたいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 高位発熱量と低位発熱量の違い 高位 ...
【熱力学】ワットとジュールの変換方法
熱量を表す単位のワットとジュール。 熱の計算になれないうちは、この2つの単位を理解するのに苦労するのではないでしょうか? 今回は、ワットとジュールの違いや変換方法について解説してみたいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 1. ワットとジュールの違いとは? ワットとジュールは同じ熱量を表す単位ですが、考え方が異なります。 1-1. ワット ワットは1889年に採用された単位で、1ワットは毎秒1ジュールに等しいエネルギーを生じさせる仕事率と定義されて ...
【熱力学】定圧比熱と定積比熱、気体の比熱が2種類あるのはなぜ?
気体の比熱には、圧力一定で加熱を行った時の「定圧比熱(Cp)」と容積一定の状態で加熱を行った時の「定容比熱(Cv)」と2種類あります。 液体の比熱は1種類(細かく言うと違いますが・・・)なのに気体の比熱が2種類に分けられている理由を解説してみたいと思います。そもそも比熱は簡単にいうと「物体の温度を1℃上昇させるのに必要なエネルギー」です。 気体の比熱が2種類あり、液体の比熱が1種類しかない理由は、大きく分けて次の2つです。 気体は温度が上がると膨張する 液体の膨張は無視できる程に小さい こちらの記事は動画 ...
【熱力学】エネルギーを表す単位、ジュール、カロリー、ワットの違いは?
エネルギーを表す単位には、ジュール、カロリー、ワットなどがありますが、熱について考える際にはこれらの単位を自在に変換できることが重要です。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 1. ジュール、カロリー、ワットの違い 1-1. ジュール まず、もっとも基本となるジュールについて考えてみます。 ジュールは1Nの力で物体を1m動かすのに必要なエネルギーで、式に表すと次のようになります。ジュールと言う名前の由来はジェームズ・プレスコット・ジュールという人名から来ている ...
【熱力学】エクセルギーとアネルギーの違いとは?
熱を与えることによって仕事をさせる「熱機関」ですが、これらを考えるときには「有効エネルギー(=エクセルギー)」と「無効エネルギー(=アネルギー)」という考え方が必要になります。 熱エネルギーはすべて仕事に変換できるわけではなく、仕事として有効に利用できるエネルギーと廃棄せざるを得ないエネルギーとに分かれます。 今回はこの「エクセルギー」と「アネルギー」の違いについて解説していきたいと思います。 1. エクセルギーとアネルギーの違い エクセルギーとアネルギーの言葉の意味を考えてみましょう。 エクセルギー 「 ...