プラント業界

計測機器

【温度センサー】温度計の種類、測定原理、誤差を比較してみた

工場などで配管などによく取り付けられている温度計や温度センサー。 普段あまり気にしませんが、温度計や温度センサーが示している値って本当に正しいか疑問に感じることはありませんか? 今回は、よく見る温度計や温度センサーの測定原理や誤差について種類別に比較してみたいと思います。 1. 温度とは? 温度とは、物質の熱さ冷たさを示す指標です。一般的には、接触により熱が流出する側の温度が高く、熱が流入する側の温度が低いように定められます。 工業的には、標準大気圧のもとで水が凍る温度0℃と、水が沸騰する温度100℃との ...

熱力学

【熱力学】SI単位?組立単位?熱計算に必要な色々な単位について

熱や電気の計算をするうえで絶対に欠かせないのが様々な「単位」です。 「単位」が理解できていないと、その数値が一体何を表しているのかわかりません。逆に「単位」について深く理解できていれば、そこから計算式を組み立てることも可能なので非常に有利になります。 今回は、この覚えるのが厄介な「単位」について詳しく解説してみたいと思います。 1. 単位とは? 「単位」というのは、ある量を数値で表す際の基準となる約束された量です。 単位という基準を皆がそれぞれ共通認識として知っているから、量を言葉で表すことができます。単 ...

自動制御

【自動制御】電流信号とパルス信号の違いって何?

圧力、温度、流量などの値をセンサーなどの機器間でやり取りする場合、電流信号やパルス信号を用いて制御を行うのが一般的です。 この記事では電流信号(4-20mA)とパルス信号の違い、使い分けについて解説します。 電流信号(4-20mA)とは 電流信号(4-20mA)はアナログ信号と呼ばれ、主にセンサーからの測定値の入力、制御値の出力などに利用されます。 例えば、温度を測定する場合、温度センサーの測定レンジが100℃以上のものを選定し、0℃の時は4mA、100℃の時は20mAの電流が流れるように調節計で設定しま ...

計測機器

【圧力センサー】圧力センサーの測定原理とは?

水、油、蒸気、ガスなど装置内、配管内の圧力を制御したい時に使用するのが圧力センサーです。 今回は圧力センサーの測定原理について書いてみたいと思います。 センサーを使用する場合は、アナログで測定したものを最終的には電気信号に変換して調節計で制御する必要があります。圧力センサーも圧力というアナログな値を、電気信号に変換するという機構になっています。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 1. 圧力センサーの原理とは 圧力センサーは大きく分けると、電子式と機械式があり ...

エネルギー管理士

【エネルギー管理士】失敗から学んだおすすめ勉強法と参考書

これからエネルギー管理士試験を受けるあなたのために、最短時間でエネルギー管理士に合格する方法を紹介したいと思います。 せっかく貴重な時間を使って勉強するんですから、できれば短時間の勉強で合格したいですよね。効率的に勉強して最短時間で試験に合格するために重要なことが1つあります。   それは試験勉強に入る前の情報収集です。   正しい情報収集をしてから試験勉強に入れば、無駄な勉強をしなくて良くなります。 この記事では、合格するまで3年もかかり、お金と時間を無駄にした私が、その反省も踏まえ ...

ボイラー

【ボイラー】排ガスの熱回収をするときに考慮するべき酸露点とは?

ボイラーやガスエンジン、ガスタービンなどから発生する排ガスは多くの熱エネルギーを含んでおり、それらの回収を検討することは省エネルギーを実施していくうえで非常に重要です。 排ガスの熱回収として、ボイラー給水を予熱するエコノマイザ(節炭器)や燃焼用の空気を温める空気予熱器などを設置しますが、この時検討しなければいけない重要項目として、排ガスの「酸露点」というものがあります。 今回は、排ガスの熱回収を検討する際に重要な「酸露点」やその対策について解説してみたいと思います。 1. 酸露点とは? 酸露点とは排ガス中 ...

空気

【空気】空気の比熱、温度を上げるのに必要な熱量は?

ガスや電気、蒸気などの熱源を使って、空気を温めるエアヒーターなどではユーティリティの消費量がわからず、エネルギー消費量が把握できない場合があります。 今回は、空気の比熱から熱容量を計算し、消費エネルギーを計算する方法を考えてみたいと思います。 空気の比熱とは? 空気の比熱は「空気の温度を1℃上昇させるのに必要なエネルギー」で温度や圧力によって変わってきます。ここでは、簡単のため大気圧下での空気の比熱を見てみます。 温度 [℃] 密度 [kg/m3] 比熱Cp [kJ/kg℃] 0 1.251 1.005 ...

燃料

【燃料】高位発熱量と低位発熱量の違いとは

ボイラー効率や燃料単価などを計算する場合には、各燃料が保有するエネルギーの値を使います。このとき、燃料の熱量を表す値には「高位発熱量」と「低位発熱量」と呼ばれるものがあります。例えば、A重油の高位発熱量は45.2MJ/kg、低位発熱量は42.7MJ/kgです。 では、この「高位発熱量」と「低位発熱量」の違いは何でしょうか?今回は燃料のもつ2つの発熱量の違いについて解説してみたいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 高位発熱量と低位発熱量の違い 高位 ...

熱力学

【熱力学】ワットとジュールの変換方法

熱量を表す単位のワットとジュール。 熱の計算になれないうちは、この2つの単位を理解するのに苦労するのではないでしょうか? 今回は、ワットとジュールの違いや変換方法について解説してみたいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 1. ワットとジュールの違いとは? ワットとジュールは同じ熱量を表す単位ですが、考え方が異なります。 1-1. ワット ワットは1889年に採用された単位で、1ワットは毎秒1ジュールに等しいエネルギーを生じさせる仕事率と定義されて ...

冷凍機

【冷凍機】吸収式冷凍機のCOPはどうやって計算するの?

冷凍機やヒートポンプの能力を表す指標に成績係数COPという考え方があります。 COPは一般的に熱量を仕事で割った値で表されます。 $$COP=\frac{Q}{W}$$ Q:熱量 W:仕事 これが加熱用途であれば加熱できる熱量、冷却用とであれば冷却できる熱量が分子に来ます。 ヒートポンプでは供給電力に対して、空気から熱を奪う分だけ多く加熱できるのでCOPは3を超えるようなものもあります。 ターボ式冷凍機の場合も同様に、COPが大きくなるのはわかります。 ここで一つ疑問に思ったのです。   吸収式 ...

ボイラー

【ボイラー】プライミングとフォーミングの違い

ボイラーは、産業や日常生活で広く使用される重要な装置です。 その中で、プライミングとフォーミングという現象は、ボイラーの効率と安全性に影響を及ぼす重要な問題です。本記事では、プライミングとフォーミングの違い、これらが引き起こす悪影響、そしてそれらを防ぐための対策について解説します。 プライミングとフォーミングの違い プライミングとフォーミングは、いずれもボイラー内で発生する現象ですが、それぞれ異なるメカニズムと影響を持っています。 プライミングとは プライミングは、ボイラーの水位が急激に変動し、蒸気ととも ...

配管

【膨張タンク】設置が必要な理由と選定方法について

空調機や温水機などで温水を循環させる場合には、循環ラインに膨張タンクを設置する必要があります。では、この膨張タンクは一体何のために設置するのでしょうか? 今回は、「膨張タンク」を設置する理由や選定方法などについて書いていきたいと思います。 膨張タンクの動きがより分かりやすいようにアニメーションを作成しました。まずはこちらをご覧ください。 音声で解説する動画もあるのでこちらもどうぞ。 膨張タンクとは? 膨張タンクを設置する理由は1つ「温水の圧力上昇を抑えるため」です。水は物性上、温度が変化すると比体積がわず ...

熱交換器

【熱交換器】メーカーが温水器に水道法を適用させる理由

温水器などのカタログを見ていると、「水道法に適用してます。」みたいな文言を見ることってありませんか? しかし、ユーザーからしてみれば水道法に適用していると、どんなメリットがあるのかはよく分からないと思います。 今回は、水道法に適用されるとどうなるのか、ユーザーにとってどんなメリットがあるのか解説してみたいと思います。 1. 水道法とは? 水道法は厚生労働省が定める日本の法律です。以下引用したものです。 <所管府省:厚生労働省> 水道の布設及び管理を適正かつ合理的ならしめるとともに、水道を計画的に整備し、及 ...

計測機器

【圧力計】連成計って何?圧力計との違い、使い分けについて

配管や機器内の圧力を機械的に測定する計測器には圧力計、連成計、真空計という3つの種類があります。この3つはそれぞれ圧力を測定できる範囲が違います。 今回は、日頃感じる小さな疑問、連成計とは何か、圧力計や真空計との違いや使い分けについて解説します。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 連成計とは 連成計とは大気圧と真空域の両方を測定することが出来る現場指示型の計器です。 上の写真では大気圧を0として赤い表記が真空域、黒い表記が正圧域(大気圧以上)を示しています。 ...

安全弁

【安全弁】揚程式と全量式の違いや使い分けについて

安全弁には、揚程式と全量式という2種類があります。 両方とも設定圧力よりも高くなると作動して、機器や配管の内部圧力が過剰に上昇するのを防ぐという役割は同じです。揚程式と全量式の違いは少しずつ放出するか、一気に放出するかというものです。 この記事では安全弁の揚程式と全量式の違い、使い分けについて解説します。 揚程式と全量式の違い 安全弁の揚程式と全量式の定義はそれぞれJISで定められています。 (出典:株式会社ベン安全弁編) 揚程式 安全弁のリフトが弁座口の径の1/40以上1/4未満で、弁体が開いた時の流路 ...

圧力容器

【圧力容器】第一種と第二種はどう違う?圧力容器の区分について

熱交換器やタンクなどを設計する際に「圧力容器」に該当するかどうかは、メンテナンスなども含めて重要です。 同じ「圧力容器」でも第1種と第2種で規制が変わるなど、いくつか細かく区分けされています。今回は、そんな圧力容器の区分について解説してみたいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 1. 圧力容器とは? 圧力容器は「大気圧と異なる一定の圧力で気体や液体を貯留するように設計された容器」のことです。ガスボンベや蒸気ボイラー、コンプレッサーの出口に設置される ...

ボイラー

【ボイラー】空気比って何?計算や管理・制御方法について

ボイラーや焼却炉などで燃料を燃焼させるためには空気が必要です。 この空気を理論値に対し、何倍程度の割合で入れるかを表す指標に空気比というものがあります。今回は空気比とは何かについて解説したいと思います。 空気比とは 空気比は燃料を燃焼させるのに必要な理論空気量に対し、実際に供給する空気の割合のことで式で表すと次のようになります。 $$空気比=\frac{供給空気量}{理論空気量}$$ $$m=\frac{1}{21-O_2}×21$$ m:空気比、O2:排ガス中の酸素濃度[%] 理論上、空気比1で運転でき ...

タービン

【タービン】タービン効率の考え方、熱落差ってなに?

タービンについて勉強していると「熱落差」という聞きなれない言葉が出てきます。 「熱落差」は、タービンの入口エンタルピーと出口エンタルピーの差のことを言っているんですが感覚的に理解しにくいという方も多いのではないでしょうか? 今回は、タービンの熱落差について解説してみたいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 1. タービンとは? タービンは、水や蒸気、ガスなどの力を使って動力を得る回転機の総称です。 駆動となる気体が蒸気であれば「蒸気タービン」、ガス ...

計測機器

【圧力計】原理に秘密あり!なぜマノメーターで圧力が分かるのか?

接続した2点の圧力差を測定する装置にマノメーターというものがあります。 実際に現場で使われているマノメーターはデジタル式のものが多いですが、エネルギー管理士などの資格試験ではU字管マノメーターの問題も出題されるので、原理はしっかり理解しておきましょう。 この記事では、マノメーターで圧力差を測定する原理や、種類、用途について解説していきます。 1. マノメーターとは? マノメーターは圧力計の一つで、気体や液体の圧力を測定する装置です。測定域としては、ダクトやクリーンルームなど大気圧付近の圧力測定に使用される ...

熱力学

【熱力学】定圧比熱と定積比熱、気体の比熱が2種類あるのはなぜ?

気体の比熱には、圧力一定で加熱を行った時の「定圧比熱(Cp)」と容積一定の状態で加熱を行った時の「定容比熱(Cv)」と2種類あります。 液体の比熱は1種類(細かく言うと違いますが・・・)なのに気体の比熱が2種類に分けられている理由を解説してみたいと思います。そもそも比熱は簡単にいうと「物体の温度を1℃上昇させるのに必要なエネルギー」です。 気体の比熱が2種類あり、液体の比熱が1種類しかない理由は、大きく分けて次の2つです。 気体は温度が上がると膨張する 液体の膨張は無視できる程に小さい こちらの記事は動画 ...

熱力学

【熱力学】エネルギーを表す単位、ジュール、カロリー、ワットの違いは?

エネルギーを表す単位には、ジュール、カロリー、ワットなどがありますが、熱について考える際にはこれらの単位を自在に変換できることが重要です。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 1. ジュール、カロリー、ワットの違い 1-1. ジュール まず、もっとも基本となるジュールについて考えてみます。 ジュールは1Nの力で物体を1m動かすのに必要なエネルギーで、式に表すと次のようになります。ジュールと言う名前の由来はジェームズ・プレスコット・ジュールという人名から来ている ...

省エネ法

【省エネ法】特定事業者が設置するエネルギー管理者は何人?

毎年、科目Ⅰで出題される問題でエネルギー管理者の設置人数が問われる問題があります。 事業所や事務所で使う様々な種類のエネルギーを「GJ/年」で与えられる。 省エネ法で「エネルギー」にカウントされるものだけを足し合わせる。 原油換算係数「0.0258kL/GJ」をかけて年間使用量を算出する。 特定事業者かどうか判別する。 各事業所に設置しなければいけないエネルギー管理者の人数を答える。 これは、必須問題なので確実に理解しておく必要があるわけですが、5番の「エネルギー管理者」の人数を答えるところだけが難しいと ...

熱力学

【熱力学】エクセルギーとアネルギーの違いとは?

熱を与えることによって仕事をさせる「熱機関」ですが、これらを考えるときには「有効エネルギー(=エクセルギー)」と「無効エネルギー(=アネルギー)」という考え方が必要になります。 熱エネルギーはすべて仕事に変換できるわけではなく、仕事として有効に利用できるエネルギーと廃棄せざるを得ないエネルギーとに分かれます。 今回はこの「エクセルギー」と「アネルギー」の違いについて解説していきたいと思います。 1. エクセルギーとアネルギーの違い エクセルギーとアネルギーの言葉の意味を考えてみましょう。 エクセルギー 「 ...

省エネ法

【省エネ法】ベンチマーク制度って何だろう

省エネ法について調べていくと、ベンチマーク制度という言葉が出てきます。 「ベンチマーク」とは、他の同様のものと比べたときに差がわかるという意味ですが、省エネ法のベンチマーク制度とは何を表すのでしょうか? 今回はベンチマーク制度とは何かについて解説していきたいと思います。 ベンチマーク制度とは? ベンチマーク制度は事業者の省エネ状況を業種共通の指標を用いて評価するものです。事業者はベンチマークを基準に製品開発などを進めます。 平成21年に産業部門の6業種10分野で導入され、現在は業務部門にも拡大中です。ベン ...

省エネ法

【省エネ法】家電でよく見る省エネ大賞、トップランナー制度って何?

メーカーのカタログに「トップランナー機器」という文言が書かれている場合があります。 トップランナー制度は約20年前に導入され、省エネルギーの促進に貢献してきました。こ記事ではトップランナー制度とは何かについて解説します。 トップランナー制度とは? トップランナー制度とは、対象となった機器でエネルギー消費効率が最も優れているものをトップランナーとして、その性能に技術開発の見通しを考慮して目標となる省エネ基準を定める制度です。 この基準をトップランナー基準といい、対象機器のエネルギー消費効率のさらなる改善の推 ...

省エネ法

【省エネ法】規制対象になる4つの分野は?

省エネ法では、規制対象としてエネルギーを多く使用する4つの分野を上げています。 これら4つの分野は、大量にエネルギーを消費するものと年々エネルギー使用量が増加しているものとに分かれます。エネルギーの意容量は年々増加傾向にあるため、規制される分野はますます増えていくと考えられます。 省エネ法で規制している4つの分野 省エネ法で規制している分野は次の4つです。 工場等 輸送 住宅・建築物 機械器具等 それぞれの分野が規制されている背景について、エネルギー使用量の推移などを見ていきたいと思います。 工場等 工場 ...

省エネ法

【省エネ法】設備の管理に必要な判断基準って何?

省エネ法について考えるときには「判断基準」という項目が重要になってきます。 省エネルギーに取り組むときに、各機器の目安としての数値を国が決めてくれています。今回は、この「判断基準」に対して解説していきたいと思います。 省エネ法の「判断基準」とは? 判断基準は、エネルギーの使用の合理化の適切かつ有効な実施を図るための計画に関し、判断の基準となる具体的な事項を国が定めたものです。 法律では判断基準に対して次のような取り決めを行っています。 事業者は判断基準に基づいて、取組方針や管理マニュアルを作成し、省エネに ...

省エネ法

【省エネ法】制定された背景、義務、罰則はあるの?

省エネ法は「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」の略で、経済産業省が管轄しています。 この法律の目的は、資源の少ない日本で、エネルギーを合理的に使用することで経済的に発展していこうというものです。今回はこの法律が施行された背景について、そもそも省エネ法とは何なのか?というところから解説していきたいと思います。 省エネ法とは? 省エネ法は、「エネルギー使用の合理化等に関する法律」の略称です。 「工場等に係る措置等」「輸送に係る措置」「建築物に係る措置」「機械器具等に係る措置」「電気事業者に係る措置」「消 ...

© 2024 エネ管.com Powered by AFFINGER5