機器

熱交換器

【熱交換器】熱交換器の伝熱面積計算方法

プラントや工場などで廃棄されている熱を熱交換器で回収したいときその熱交換器がどの程度のサイズになるのか大まかな値を計算したいという事があります。 今回は、そんな時に使える熱交換器の伝熱面積計算方法について解説したいと思います。 1. 熱交換器の伝熱面積計算方法 熱交換器とは、温度の低い物質と温度の高い物体を接触させずに熱のやり取りをさせる機器です。 90℃ 1000kg/hの水を20℃ 2000kg/hで50℃まで冷やすためには何m2の熱交換器が必要になるか計算してみたいと思います。 Step.1 冷却に ...

ポンプ

【ポンプ】流入水頭の計算方法。ポンプのキャビテーションを防ぐには?

飽和温度近くの流体をポンプで圧送する場合、ポンプでキャビテーションが発生しないように考慮する必要があります。 その時、検討しなければいけない項目にポンプの有効流入水頭(NPSHa)というものがあります。今回は、ポンプの流入水頭はどのようにして計算するのか解説してみたいと思います。 1. 流入水頭とは? 水頭とは、水の持つ圧力などのエネルギーを水の高さ(m)で表したものです。例えば大気圧での水頭は0.1MPaなので約10mになります。 ポンプを選定する際には必要流入水頭(NPSHr)と有効流入水頭(NPSH ...

熱交換器

【熱交換器】対数平均温度差LMTDの使い方と計算方法

プラントや工場では、発生する熱エネルギーを無駄にしないために様々な工夫がされています。 その1つに熱交換器を設置して熱回収をするなどがありますが、熱交換器などの計算を行う際には対数平均温度差が必要です。今回は、対数平均温度差とは何かについて解説してみたいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 対数平均温度差LMTDとは? 対数平均温度差(LMTD)とは、全体の伝熱量が等しくなるような計算上の温度差のことです。LMTDはLogarithmic Mean ...

ポンプ

【ポンプ】ポンプ効率の考え方や計算方法

ポンプの性能曲線にはポンプ効率が示されています。今回はポンプ効率の考え方と計算方法について記載していきたいと思います。 1. ポンプ効率とは? ポンプは水などの流体に圧力を加えて遠くまで輸送するために使用します。ポンプの効率とは、ポンプに供給した動力がどの程度水の圧力エネルギーに変換されたかという指標になります。 ポンプに供給したエネルギーが全て水の圧力エネルギーに変換されることが理想です。しかし、実際にはモーターでのエネルギー損失やポンプ内部での水とインペラとの摩擦損失などがあるためすべてを変換すること ...

ポンプ

【ポンプ】回転数を表すrpmとは?

ポンプのスペックの1つに回転数があります。インバーター制御ではポンプの回転数を制御することで省エネルギーを行います。今回はポンプの回転数と流量、揚程、軸動力の関係について記載します。 1. ポンプのrpmとは? ポンプのrpmはrevolutions per minuteの略で1分間当たりの回転数を表します。min-1などと記載することもあります。 良く比較されるものでHzがあります。Hzは1秒間の振動数(回転数)を表します。一般的な交流電源の周波数は西日本で60Hz、東日本で50Hzになります。 周波数 ...

配管

【配管】配管についてるsch(スケジュール)ってなに?

配管を選ぶときに、外径以外でSch.40とかSch.80という表記を見たことありませんか? 今回は、手前についている「Sch(スケジュール)」とは何か?について解説してみたいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 Sch(スケジュール)とは? 配管を選定するには、サイズ(mm)と長さ(m)と厚みが必要になります。サイズはきりのいい数字で呼び径A(エー)やB(インチ)などを使用します。 Sch.〇〇はスケジュール番号と呼び、配管の厚みを表す指標になりま ...

配管

【配管】ステンレス配管にデメリットはないのか?

最近の工場では、新設の段階からステンレスの配管を採用することが多いように思います。 以前は、配管の材質は基本的に鉄だったので数年使用すれば錆が出てきて、それが要因でバルブなどを何度交換しても固着してしまうなんてことがあったかとおもいます。 ステンレスにすれば、鉄に比べて錆びにくいので、長期的な運用を考えればステンレス配管にしておくほうがいいということになります。 では、ステンレス配管はいい事ずくめなのでしょうか?今回は、ステンレス配管にすることによるデメリットについてまとめてみたいと思います。 こちらの記 ...

コンプレッサー

【コンプレッサー】ファンとブロアとコンプレッサーの違い

気体にエネルギーを与えて輸送する送風機にはファン、ブロワ、コンプレッサーという3つの呼び方があります。 今回はファンとブロアとコンプレッサーの違いについて解説したいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 1. ファン、ブロワ、コンプレッサーの違いとは? この3つの呼び方の違いは、与える圧力の差によって決められています。 1-1. ファン ファンは圧力比が1.1未満の送風機のことを言います。 圧力比とは送風機の入口と出口の圧力の比率のことです。 例えば ...

ポンプ

【ポンプ】ポンプやエンジン、送風機の「サージング」って何?

ポンプや送風機の異常運転状態の1つに「サージング」という現象があります。 キャビテーションと並べられて比較されることがよくありますが、発生原理は全く違います。今回はサージングとは何か?どんな対策をすればいいのかについて解説したいと思います。 1. サージングとは? サージングは一般的にはポンプや送風機に使われますが、同じ言葉でエンジンやタービン、ビールなどの業界でも違う意味で利用されているようです。 ついでなので、他の分野での「サージング」の意味についても記載しておきます。 ポンプのサージング 送風機のサ ...

バルブ

【バルブ】ボールバルブとグローブバルブの使い分けについて

物体の流れを止めるバルブには様々な種類があります。どのバルブも「流れを止める」という目的は同じですが、場合によってどのバルブを選択すればいいか迷うことってありませんか? 今回は、そんなバルブの中でも代表的なボールバルブとグローブバルブの使い分けについて解説したいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもご覧ください。 ボールバルブとグローブバルブ ボールバルブとグローブバルブの特徴を比較すると以下のような違いがあります。   ボールバルブ グローブバルブ 全開、 ...

配管

【配管】放熱量を簡単に計算する方法。保温の効果はどれくらい?

配管や熱交換器に保温をすべきか検討するのに、現在の放熱量を簡単に計算したいときってありませんか? インターネットで検索すると、放射率などの難しい計算が出てきますが実際にはそこまで精緻な値っていりませんよね。ということで今回は、簡単な条件から放熱量の概算を出す方法や保温の効果について書いていきたいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 1. 放熱とは? 放熱とは、熱エネルギーを周りに拡散していくことをいいます。 熱エネルギーは、常に温度の高いところから ...

安全弁

【安全弁】安全弁の正しい設定圧力は?

圧力の高い流体を使用する場合には、機器や配管に安全弁を設置します。 この時、安全弁の設定圧力をどう決めればいいか分からないことってありませんか? この記事では、安全弁の設定圧力を決める基準とどんな時に設置するかを記載しています。 1. 安全弁とは? 安全弁は逃し弁とも呼ばれ、内部の圧力が異常に上昇した場合に開弁させ、圧力を降下させる機器です。 全量式、揚程式、レバー付きやレバーなしなど様々な種類がありますが、基本的な役割はすべて同じです。 2. 安全弁の設定圧力の基準 安全弁は、ある一定以上になると開弁す ...

ボイラー

【ボイラー】燃料を重油からガス炊きに更新するメリット

最近、ボイラーの燃料で重油を使用しているところが減り、都市ガスやLPガスなどを使用する工場が増えてきました。 このような燃料転換がなぜ進むのか、今回はボイラーを重油からガス炊きに変更するメリットについて書いてみたいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 1. ガス炊きボイラーとは? ボイラーは、燃料を燃焼させて水を蒸気に変化させる機器ですが、この燃料に重油を使用する場合は重油炊きボイラー、LPG(液化石油ガス)やLNG(液化天然ガス)などのガスを使用 ...

タービン

【タービン】タービンの仕事の求め方について

ランキンサイクルでタービンの仕事を求めるためには、タービン入口と出口の蒸気のエンタルピー差(熱落差)が必要になります。 今回は、タービン出口の蒸気の乾き度の求め方、エンタルピーの求め方、仕事の求め方について解説したいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 1. タービンの仕事の求め方 ランキンサイクルでタービンの仕事を求めるためには次の4つのステップが必要です。 タービン出口の蒸気の乾き度を求める タービン出口の蒸気の比エンタルピーを求める タービン ...

ボイラー

【ボイラー】ボイラー効率って何?100%を超えるのはなぜ?

ボイラー効率とは、燃料の持つエネルギーの何%が蒸気に変換されたかという指標です。 ボイラー効率を計算する方法としては2つの方法があります。 入出熱法 熱損失法 どちらも計算すると当然同じ結果になるのですが、考え方が違います。 ボイラー効率とは ボイラーは、燃料などの熱で水を蒸気に変換するための機器ですが、入ってきた熱量をすべて蒸気に変えられるわけではありません。 当然、排ガスや定期的に行うブローなどにより、熱の一部は外に捨てられてしまいます。 今回は、わかりやすくするためにブローは無視して、排ガスのみで熱 ...

計測機器

【温度センサー】温度計の種類、測定原理、誤差を比較してみた

工場などで配管などによく取り付けられている温度計や温度センサー。 普段あまり気にしませんが、温度計や温度センサーが示している値って本当に正しいか疑問に感じることはありませんか? 今回は、よく見る温度計や温度センサーの測定原理や誤差について種類別に比較してみたいと思います。 1. 温度とは? 温度とは、物質の熱さ冷たさを示す指標です。一般的には、接触により熱が流出する側の温度が高く、熱が流入する側の温度が低いように定められます。 工業的には、標準大気圧のもとで水が凍る温度0℃と、水が沸騰する温度100℃との ...

計測機器

【圧力センサー】圧力センサーの測定原理とは?

水、油、蒸気、ガスなど装置内、配管内の圧力を制御したい時に使用するのが圧力センサーです。 今回は圧力センサーの測定原理について書いてみたいと思います。 センサーを使用する場合は、アナログで測定したものを最終的には電気信号に変換して調節計で制御する必要があります。圧力センサーも圧力というアナログな値を、電気信号に変換するという機構になっています。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 1. 圧力センサーの原理とは 圧力センサーは大きく分けると、電子式と機械式があり ...

ボイラー

【ボイラー】排ガスの熱回収をするときに考慮するべき酸露点とは?

ボイラーやガスエンジン、ガスタービンなどから発生する排ガスは多くの熱エネルギーを含んでおり、それらの回収を検討することは省エネルギーを実施していくうえで非常に重要です。 排ガスの熱回収として、ボイラー給水を予熱するエコノマイザ(節炭器)や燃焼用の空気を温める空気予熱器などを設置しますが、この時検討しなければいけない重要項目として、排ガスの「酸露点」というものがあります。 今回は、排ガスの熱回収を検討する際に重要な「酸露点」やその対策について解説してみたいと思います。 1. 酸露点とは? 酸露点とは排ガス中 ...

冷凍機

【冷凍機】吸収式冷凍機のCOPはどうやって計算するの?

冷凍機やヒートポンプの能力を表す指標に成績係数COPという考え方があります。 COPは一般的に熱量を仕事で割った値で表されます。 $$COP=\frac{Q}{W}$$ Q:熱量 W:仕事 これが加熱用途であれば加熱できる熱量、冷却用とであれば冷却できる熱量が分子に来ます。 ヒートポンプでは供給電力に対して、空気から熱を奪う分だけ多く加熱できるのでCOPは3を超えるようなものもあります。 ターボ式冷凍機の場合も同様に、COPが大きくなるのはわかります。 ここで一つ疑問に思ったのです。   吸収式 ...

ボイラー

【ボイラー】プライミングとフォーミングの違い

ボイラーは、産業や日常生活で広く使用される重要な装置です。 その中で、プライミングとフォーミングという現象は、ボイラーの効率と安全性に影響を及ぼす重要な問題です。本記事では、プライミングとフォーミングの違い、これらが引き起こす悪影響、そしてそれらを防ぐための対策について解説します。 プライミングとフォーミングの違い プライミングとフォーミングは、いずれもボイラー内で発生する現象ですが、それぞれ異なるメカニズムと影響を持っています。 プライミングとは プライミングは、ボイラーの水位が急激に変動し、蒸気ととも ...

配管

【膨張タンク】設置が必要な理由と選定方法について

空調機や温水機などで温水を循環させる場合には、循環ラインに膨張タンクを設置する必要があります。では、この膨張タンクは一体何のために設置するのでしょうか? 今回は、「膨張タンク」を設置する理由や選定方法などについて書いていきたいと思います。 膨張タンクの動きがより分かりやすいようにアニメーションを作成しました。まずはこちらをご覧ください。 音声で解説する動画もあるのでこちらもどうぞ。 膨張タンクとは? 膨張タンクを設置する理由は1つ「温水の圧力上昇を抑えるため」です。水は物性上、温度が変化すると比体積がわず ...

熱交換器

【熱交換器】メーカーが温水器に水道法を適用させる理由

温水器などのカタログを見ていると、「水道法に適用してます。」みたいな文言を見ることってありませんか? しかし、ユーザーからしてみれば水道法に適用していると、どんなメリットがあるのかはよく分からないと思います。 今回は、水道法に適用されるとどうなるのか、ユーザーにとってどんなメリットがあるのか解説してみたいと思います。 1. 水道法とは? 水道法は厚生労働省が定める日本の法律です。以下引用したものです。 <所管府省:厚生労働省> 水道の布設及び管理を適正かつ合理的ならしめるとともに、水道を計画的に整備し、及 ...

計測機器

【圧力計】連成計って何?圧力計との違い、使い分けについて

配管や機器内の圧力を機械的に測定する計測器には圧力計、連成計、真空計という3つの種類があります。この3つはそれぞれ圧力を測定できる範囲が違います。 今回は、日頃感じる小さな疑問、連成計とは何か、圧力計や真空計との違いや使い分けについて解説します。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 連成計とは 連成計とは大気圧と真空域の両方を測定することが出来る現場指示型の計器です。 上の写真では大気圧を0として赤い表記が真空域、黒い表記が正圧域(大気圧以上)を示しています。 ...

安全弁

【安全弁】揚程式と全量式の違いや使い分けについて

安全弁には、揚程式と全量式という2種類があります。 両方とも設定圧力よりも高くなると作動して、機器や配管の内部圧力が過剰に上昇するのを防ぐという役割は同じです。揚程式と全量式の違いは少しずつ放出するか、一気に放出するかというものです。 この記事では安全弁の揚程式と全量式の違い、使い分けについて解説します。 揚程式と全量式の違い 安全弁の揚程式と全量式の定義はそれぞれJISで定められています。 (出典:株式会社ベン安全弁編) 揚程式 安全弁のリフトが弁座口の径の1/40以上1/4未満で、弁体が開いた時の流路 ...

圧力容器

【圧力容器】第一種と第二種はどう違う?圧力容器の区分について

熱交換器やタンクなどを設計する際に「圧力容器」に該当するかどうかは、メンテナンスなども含めて重要です。 同じ「圧力容器」でも第1種と第2種で規制が変わるなど、いくつか細かく区分けされています。今回は、そんな圧力容器の区分について解説してみたいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 1. 圧力容器とは? 圧力容器は「大気圧と異なる一定の圧力で気体や液体を貯留するように設計された容器」のことです。ガスボンベや蒸気ボイラー、コンプレッサーの出口に設置される ...

ボイラー

【ボイラー】空気比って何?計算や管理・制御方法について

ボイラーや焼却炉などで燃料を燃焼させるためには空気が必要です。 この空気を理論値に対し、何倍程度の割合で入れるかを表す指標に空気比というものがあります。今回は空気比とは何かについて解説したいと思います。 空気比とは 空気比は燃料を燃焼させるのに必要な理論空気量に対し、実際に供給する空気の割合のことで式で表すと次のようになります。 $$空気比=\frac{供給空気量}{理論空気量}$$ $$m=\frac{1}{21-O_2}×21$$ m:空気比、O2:排ガス中の酸素濃度[%] 理論上、空気比1で運転でき ...

タービン

【タービン】タービン効率の考え方、熱落差ってなに?

タービンについて勉強していると「熱落差」という聞きなれない言葉が出てきます。 「熱落差」は、タービンの入口エンタルピーと出口エンタルピーの差のことを言っているんですが感覚的に理解しにくいという方も多いのではないでしょうか? 今回は、タービンの熱落差について解説してみたいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 1. タービンとは? タービンは、水や蒸気、ガスなどの力を使って動力を得る回転機の総称です。 駆動となる気体が蒸気であれば「蒸気タービン」、ガス ...

計測機器

【圧力計】原理に秘密あり!なぜマノメーターで圧力が分かるのか?

接続した2点の圧力差を測定する装置にマノメーターというものがあります。 実際に現場で使われているマノメーターはデジタル式のものが多いですが、エネルギー管理士などの資格試験ではU字管マノメーターの問題も出題されるので、原理はしっかり理解しておきましょう。 この記事では、マノメーターで圧力差を測定する原理や、種類、用途について解説していきます。 1. マノメーターとは? マノメーターは圧力計の一つで、気体や液体の圧力を測定する装置です。測定域としては、ダクトやクリーンルームなど大気圧付近の圧力測定に使用される ...

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