【燃料】固体燃料とは何か。種類や特徴について解説します
固体燃料は、エネルギー源として古くから利用されてきた燃料の一つです。 石炭や木くずなど、多様な種類があり、それぞれに特徴があります。本記事では、固体燃料の定義やその特徴、具体的な種類について詳しく解説します。 固体燃料とは 固体燃料とは、固体の形態を持つ燃料のことを指し、主に木材、石炭、コークス、ペレットなどが代表例として挙げられます。 これらの燃料は、化石燃料やバイオマスとして自然界に存在し、エネルギー源として広く利用されています。 固体燃料は、燃焼することで熱エネルギーを発生させ、その熱を利用して発電 ...
【燃料】液体燃料とは何か。種類や特徴について解説します
液体燃料は、現代社会のエネルギー供給において不可欠な存在です。 自動車や飛行機などの輸送機関、家庭用の暖房設備、産業用のボイラーなど、幅広い用途で使用されています。本記事では、液体燃料とは何か、その特徴や種類、そして今後の展望について詳しく解説します。 液体燃料とは 液体燃料は、その名の通り液体の状態で供給される燃料で、主に炭化水素をベースとした化石燃料が中心です。 これらは通常、原油の精製過程で得られるさまざまな製品で、石油化学工業の基盤をなしています。液体燃料の特徴は、エネルギー密度が高く、輸送や保管 ...
【熱機関】熱機関とは何か、概要や種類について解説します
熱機関は、熱エネルギーを機械的エネルギーに変換する装置やシステムで、私たちの日常生活や産業に欠かせない存在です。 内燃機関や蒸気機関をはじめとする熱機関は、燃料の燃焼や熱源から得たエネルギーを利用して、さまざまな機械を動かします。その効率や性能は、エネルギーの最大限の活用に大きく影響し、技術の進化によってさらなる改善が期待されています。 本記事では、熱機関の基本的な仕組みや種類、そしてさまざまな利用用途について詳しく解説します。 熱機関とは 熱機関とは、熱エネルギーを機械的なエネルギーに変換する装置やシス ...
【電力】負荷平準化とは何か。目的や平準化の方法について解説します
電力負荷平準化は、電力需要のピークを抑え、消費を時間的に均等化することで、電力供給の安定性と効率を向上させる手法です。 これにより、電力インフラの過負荷を防ぎ、エネルギー供給の信頼性を高めるだけでなく、運用コストの削減や環境負荷の軽減にも貢献します。本記事では、電力負荷平準化の目的とその具体的な方法について詳しく解説します。 電力負荷平準化とは 電力負荷平準化とは、電力消費のピークを抑え、消費を時間的に均等化することで、電力供給の安定性を保つ手法です。通常、電力消費は時間帯や季節によって大きく変動し、特に ...
【電力】電力原単位とは何か、把握方法や改善方法について解説します
電力原単位は、エネルギー効率の向上やコスト削減、さらには環境負荷の低減に向けた取り組みを評価・改善するために用いられます。本記事では、電力原単位の基本的な概念、その把握方法、電力の分類、そして改善方法について詳しく解説します。 電力原単位とは 電力原単位は、製品やサービスを生産する際に必要な電力消費量を示す指標であり、単位製品あたりのエネルギー効率を評価するために使用されます。 この指標は、製造業におけるエネルギー効率の評価や、環境負荷の低減を図るための基準としても重要です。例えば、同じ製品を製造する場合 ...
【電気】熱電素子とは何か、種類や原理、活用事例について解説します
熱電素子は、熱エネルギーと電気エネルギーを相互に変換する技術で、エネルギー効率の向上や省エネルギー化に重要です。この技術は、エネルギーの再利用や温度制御など、さまざまな分野で活用されており、今後の持続可能な社会の実現に重要な役割を果たすと期待されています。 本記事では、熱電素子の基本概念、種類、原理、および具体的な活用例について詳しく解説します。 熱電素子とは 熱電素子とは、温度差を利用して電気エネルギーを生成したり、逆に電気を流すことで温度差を作り出したりする半導体素子のことです。この技術は、ゼーベック ...
【電力】自然エネルギーとは何か、種類やメリットデメリットについて解説します
自然エネルギーは、持続可能な社会の実現に向けて注目されていますが、その導入には課題もあります。 本記事では、自然エネルギーの基本概念や種類、活用のメリットとデメリットについて解説します。 自然エネルギーとは 自然エネルギーとは、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスなどの自然界に存在するエネルギーを指します。 これらのエネルギー源は、化石燃料のように枯渇することがなく、再生可能であるため、持続可能なエネルギーとして注目されています。自然エネルギーの利用は、温室効果ガスの排出を減少させ、地球温暖化の防止に貢献 ...
【蒸気】フラッシュタンクとは何か、設置する目的を解説
フラッシュタンクは、工業プロセスにおいて省エネルギーを考える上で重要な役割を果たす装置です。 この記事では、フラッシュタンクとは何か、設置する目的について解説します。 フラッシュタンクとは フラッシュタンクは、高温の凝縮水を低圧のタンクに入れ、再蒸発(フラッシュ)させた蒸気を再利用するためのタンクです。 高圧の蒸気が低圧に変換される際に、凝縮水が蒸発し蒸気が発生します。この蒸気はフラッシュ蒸気と呼ばれ、フラッシュ蒸気を回収、利用するためにフラッシュタンクが使用されます。通常、ボイラーや熱交換システムに接続 ...
【電力】遅れ力率と進み力率の違いについて
発電所などで受電点の力率について考えるときに「遅れ力率」や「進み力率」という言葉が出てきます。 この記事では「遅れ力率」と「進み力率」の違いについて詳しく解説します。 力率とは 力率とは、電力系統における電力の効率を表す指標で有効電力と無効電力の比率で示されます。 具体的には、電力がどれだけ有効に使われているかを示す値であり、理想的にはこの比率は1(100%)に近いほうが良いとされています。 電力系統で使用される電力には、有効電力と無効電力の2種類が存在します。有効電力は実際に仕事をする電力で、モーターや ...
【蒸気】主蒸気とプロセス蒸気の違い、求められる役割は?
工場の自家発電設備などを設ける場合に、蒸気系統を主蒸気とプロセス蒸気に分けている場合があります。 この記事では、主蒸気とプロセス蒸気の違いやそれぞれに求められる特徴について解説します。 主蒸気とは 主蒸気とはボイラーで発生させた高温高圧の過熱蒸気で主に発電用に利用されます。 温度としては約400~600℃程度、圧力は発電方式によりますが20MPaG以上になる場合もあります。ランキンサイクルの効率としてはタービン入口の蒸気温度、圧力が高ければ高いほど熱落差を大きく取れるため、発電効率が上がります。 主蒸気に ...
【電気】シリコンドロッパとは何か?設置する目的について
UPSなどの非常用の蓄電池を設置する制御盤の中には良くシリコンドロッパという機器が設置されています。 この記事ではシリコンドロッパとは何か、設置する目的について解説します。 シリコンドロッパとは シリコンドロッパは直流電圧を降下させる機器で、蓄電池などを設置する場合などに利用されます。シリコンダイオードの電圧降下が電流に関わらず一定であるという特性を利用しています。 一般的にプラントの電気設備では、停電時などに設備を停止させないように制御用電源としてUPS(無停電電源装置)等が設けられています。ただ、UP ...
【電力】水力発電の出力、揚水発電の電力計算方法は?
この記事では水力発電の出力計算方法と揚水発電の電力計算方法について解説します。 水力発電の出力計算方法 水力発電の出力計算は位置エネルギー(質量m×重力加速度g×高さh)を時間sで割ったものが出力になるというのが基本的な考え方です。 有効落差を求める まず、有効落差を計算します。有効落差は実際の貯水池と放水池の液面高さで決まる総落差から摩擦などにより損失するエネルギー(損失水頭)を引いたものが有効落差となります。 $$有効落差[m]=総落差H[m]ー損失水頭h[m]$$ 実際の損失水頭は配管の形状や材質、 ...
【伝熱工学】汚れ係数とは何か?
熱交換器やボイラーなどの性能劣化具合を検討する値の一つに汚れ係数があります。この記事では汚れ係数とは何か、どんな場面で利用されるのかについて解説します。 汚れ係数とは 汚れ係数とは伝熱面の汚れによる熱抵抗のことで単位はm2K/Wなどで表されます。 ボイラーや熱交換器などを長期間運転していると伝熱面に錆やスケール等が堆積し伝熱効率が低下します。この時の熱抵抗の値を示すものが汚れ係数です。 伝熱面に堆積した汚れの厚みをl[m]、熱伝導率をλ[W/mK]とすると汚れ係数は次の式で表すことが出来ます。 $$r=\ ...
【空気】空気ダクトの流速計算方法について
空気ダクトの流速は単純に空気量から決まるのではなく、温度と圧力の条件から計算する必要があります。この記事では空気ダクトの流速計算方法と適正流速について解説します。 空気ダクトの流速計算方法 空気ダクトの流速は次のように計算します。 最大流量を決める まずは、空気ダクトの設計を決めます。これは、空気の使用用途によって決まり、使用先で欲しい流量の最大値を設計条件とします。 体積流量を計算する 流速を計算するために単位時間当たりの体積流量を計算します。単位がNm3の場合は、温度と圧力の条件によって体積が変化する ...
【電気】相電圧と線間電圧、相電流と線間電流の違いを徹底解説
三相交流回路の特徴の一つとして相電圧、線間電圧、相電流、線電流というものがあります。これらは結線方法によってそれぞれ特性が変わりますが、ただ単に特性を暗記するだけではそれぞれの特性を混同してしまします。 この記事では、相電圧と線間電圧の違い、相電流と線電流の違いについて解説します。 相電圧・線間電圧、相電流・線電流の違い 相電圧・線間電圧、相電流・線電流の違いを一言で表すと次のようになります。 相電圧:一相にかかる電圧 相電流:一相に流れる電流 線間電圧:電源と負荷を結ぶ電線間の電圧 線間電流:電源と負荷 ...
【電力】プラントの自立運転とは?メリット、デメリットを解説
発電プラントを系統の状態に関わらず、安定的に運転させるためにはプラントに自立運転機能を設ける必要があります。 この記事では、プラントの自立運転とは何か、その状態やメリット・デメリット、持たせるべき機能について解説します。 プラントの自立運転とは プラントの自立運転とは、系統の停電時により系統から解列された場合にも運転を継続できる状態のことを言います。下のような工場の場合、赤枠で囲んだ箇所のみで運転を行う場合は「発電プラントの自立運転」、青枠で囲んだ箇所のみで運転を行う場合は「工場の自立運転」という言い方を ...
【電力】発電端効率と送電端効率の違いとは?
発電所の熱効率を表す値として発電端効率と送電端効率があります。 それぞれ言葉が似ているので勘違いすることも多いですが、どちらを表しているのかによって数字が大きく変わってきます。今回は発電端効率と送電端効率の違いについて解説したいと思います。 発電端と送電端の違いとは 発電端と送電端の違いは次のようになります。 発電端:発電機直近のこと。 送電端:発電機から所内負荷を経て送電を行う箇所のこと。 言葉では分かりにくいので図に表すと次のようになります。発電機によって発電された電力は発電所内の送電線によって運ばれ ...
【電力】太陽光発電の原理をわかりやすく徹底解説します
最近よく目にするようになった太陽光発電ですが、太陽電池が太陽の光から電気を取り出す原理は結構複雑です。 今回は、太陽光発電の原理について解説したいと思います。 太陽光発電とは 太陽光発電は太陽の光を半導体で出来た太陽電池モジュールに当てることにより、発電を行う方式です。 2012年より始まった固定価格買取制度(FIT制度)で電力の買取価格が一定になったことから一気に普及が広がっています。 太陽光パネルと設置するだけで電気を取り出せるので非常に簡易ですが、気候条件により発電出力が左右されるなどのデメリットも ...
【空気】Nm3(ノルマルリューベ)とは何か。m3(リューベ)との違い、使い分けは?
空気量を表す単位にN3m(ノルマルリューベ)やm3(リューベ)があります。どちらも体積を表しているので、どの場面でどちらを用いたらいいのか分からなくなることってありますよね。 今回はNm3(ノルマルリューベ)とm3(リューベ)の違いや換算式、使い分けについて解説したいと思います。 Nm3(ノルマルリューベ)とは Nm3(ノルマルリューベ)は空気量の単位で、大気圧、0℃の時の体積のことを言います。体積を表すm3(立法メートル)に標準という意味を表すN(ノルマル)を付けて表します。表記の仕方に特に決まりはなく ...
【電気】磁力線と磁束の違いとは?
電気の勉強をしていると電気、磁気で似ているような言葉が多く出てくるので分かりにくいですよね。 今回は、磁気の中でも概念が似ている磁力線と磁束の違いについて解説したいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 磁力とは まず、磁力とは磁界の間に働く力のことを言います。磁極が異なる場合は吸引力が働き、磁極が同じであれば反発力が働きます。 上の図のように磁荷m1[Wb](ウェーバー)とm2[Wb]の物体があった場合、それぞれに働く磁力は次の式で計算することが出 ...
【電気】コンデンサと電界の関係を解説します
コンデンサに電荷がたまると極板間には電界が発生します。 電界は極板間の距離と電圧によって決まってくるのですが、コンデンサの電気容量も距離が関係してくるなど複数の要素が絡みあっているので分かりにくいと感じる方も多いのではないかと思います。 今回は、コンデンサの電界の強さについて解説したいと思います。こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 電界とは 電界とは静電力が働く空間のことです。電荷の周囲には電界が生じ、電界の中に電荷を置くと引っ張られたり押されたりします。 電 ...
【電気】マイクロ波加熱ってなに?原理と特徴を解説!
以前、電気加熱の種類について概要をまとめ、いくつか詳細に解説しました。産業分野では古くから使われている方法が多く採用されることが多いですが、近年新しい方法が実用化し、化学プラントで使われ始めています。 今回は、産業分野では新顔のマイクロ波による加熱方法について解説していきます。電気加熱の種類についてはこちらをご覧ください。 マイクロ波については会話形式でも解説しています。 マイクロ波とは マイクロ波は電磁波の一種です。電磁波とは、電気の力が作る空間(電界)と磁石の力が作る空間(磁界)が組み合わされた波のこ ...
【空気】計装空気って何?雑用空気との使い分けは?
プラントの圧縮空気には大きく分けて計装空気と雑用空気の二つがあります。 プラントを設計する場合はこの2つを分けて考えることが多いのですが、普段利用している方はどういう違いがあるのか分からないという方もいるのではないでしょうか? 今回は計装空気とは何か、雑用空気との違いについて解説したいと思います。 計装空気とは 計装空気は制御弁の駆動や流量計などの計装機器に使用される圧縮空気の事です。計装空気には次の3つが求められます。 圧力が一定で変動がないこと オイル、水分、ダストなどが混じらないこと 非常時も止めて ...
【電気】電気加熱の正味電力、正味電力量ってなに?
電気加熱について勉強していると「正味電力」とか「正味電力量」という言葉が出てきますよね。 正味電力と聞くと皮相電力のように何かしら定義があるように感じるかもしれませんが、実は言葉の定義はもっと単純なものでした。あまり調べても出てこないようなのでこの記事で解説したいと思います。 正味電力とは 正味電力とは実際に使用される正味の電力の事です。 例えば次の様な問題を考えてみます。 120kg、比熱0.52kJ/kgKの電気炉を20℃から620℃に20分で加熱する場合、必要な正味電力、正味電力量はいくらか? これ ...
【燃料】排ガスのO2換算って何?計算方法は?
排ガス中の窒素酸化物やばいじんの濃度を規制する場合にO2〇〇%換算という文言をみることはないでしょうか? この記事ではO2換算とは何か、計算方法とその目的について解説したいと思います。 O2換算とは O2換算は次の式で計算することができます。 $$C=C_s×\frac{21-O_n}{21-O_s}$$ C:窒素酸化物の濃度[ppm] Cs:窒素酸化物の実測濃度 On:標準酸素濃度 Os:排ガス中の酸素濃度 計算自体は簡単ですが、なぜこのような計算を行うのか意味をしっかりと理解しておく必要があります。 ...
【蒸気】直接加熱をした場合の計算方法は?
前回、蒸気の圧力を下げると省エネになるのか?という記事で間接加熱の場合の計算を記載したので、今回は直接加熱についても書きたいと思います。 蒸気で直接加熱する場合の計算方法① まず、上の図のようにタンクに水をため、直接蒸気を投入して加熱する場合を考えます。この時、タンクには温度センサーを設置し、制御弁によってタンク内の温度を調整します。 次の条件で計算を進めていきます。 10℃の水、10トンを60℃まで加熱するのに0.3MPaGの蒸気はどれだけ必要か 直接蒸気を投入して計算する場合は間接加熱のように単純な計 ...
【蒸気】蒸気の圧力を下げると省エネになるのはなぜ?デメリットは?
先日読者の方から「蒸気の圧力を下げると省エネになるのはなぜか教えてほしい」という質問をいただきました。 そこで、今回はその回答を記事にしてみたいと思います。 蒸気の圧力を下げると省エネになるといわれる理由 熱交換器に供給する蒸気の圧力を下げると省エネになるといわれる理由は「圧力を下げた方が潜熱が増加するから」です。 熱交換器を用いた間接加熱では、被加熱物を加熱するのに使用するのは蒸気の潜熱です。交換熱量を加熱している蒸気の潜熱で割ると蒸気使用量が計算できますが、分子の潜熱が大きくなることにより使用量が小さ ...
【電気】テスター電流測定の仕組み、測定方法、注意点について解説!
普段テスターを使わない人向けの記事、第二弾です。 以前の記事では、電圧と抵抗の測定方法を紹介しましたが、今回はテスターを使用した電流測定とその注意点について解説します。 電流測定の仕組み テスターは電圧や抵抗を変換して直流電圧測定部で測定すると、以前のテスターの説明で説明しました。 直流電流測定の場合は、テスター内部の標準抵抗器を介して変換した電圧値を計測しています。交流電流を測定できる機種の場合は、電圧変換後に、交流/直流変換が行われて、変換後の電圧が計測されます。 電流測定方法 直流回路の電流を測定す ...
【電気】初心者向け!テスターの電圧・抵抗測定の仕組み、測定方法について解説!
テスターを現場で使う、というのはありふれた作業ですが、普段使わない人にとっては緊張しますよね。 今回は、テスターの仕組みと、電圧・抵抗測定をする方法について解説したいと思います。 テスターの構成部品 テスターはハンディータイプ、ペンシルタイプなどいくつかありますが、構成部品の例を紹介します。 テスターには直流電圧、交流電圧、抵抗、電流など測定する機能がありますが、全て直流電圧測定部を通ります。つまりどの値も直流電圧に変換して、観測値に換算しているということです。 測定目的に応じて、電圧測定時には分圧器、抵 ...
【燃料】排ガス量の計算方法とは?
ボイラーなどを見ると、燃料の供給ラインに対して、排ガスのダクトがかなり大きく設計されているのを見たことはありませんか? 今回はなぜそのような設計になるのか、燃料を燃やしたときに発生する排ガス量の計算方法について解説したいと思います。 排ガスとは 排ガスとは燃料が燃焼したときに発生する気体のことです。 主な成分は二酸化炭素CO2、水蒸気H2O、窒素N2、そして過剰に供給した酸素O2などです。計算の際に水蒸気を含めたガスを湿りガス、除いたガスを乾きガスといいます。 排ガスの量はエコノマイザでの流速や伝熱量など ...
【流体工学】コアンダ効果って何?産業分野での用途は?
流体に関する勉強をしていると、ベルヌーイの定理、ベンチュリ効果などに関連して「コアンダ効果」という言葉を目にするのではないでしょうか。 今回は、コアンダ効果の解説と実用例について紹介したいと思います。 コアンダ効果とは コアンダ効果とは、流れる流体(噴流)が近くの壁に対して相互作用を生じ、引き寄せられていく現象を表した言葉です。流体の粘性の効果により、周りの流体を引き込みます。 よく見る説明実験では、水道の水に丸みを帯びた物(スプーンなど)を近づけて、引き寄せられることを確認したり、ピンポン球に下から風を ...
【伝熱工学】温度放射とルミネセンスの違い、使用例は?
今回は放射の中でも温度放射とルミネセンス(冷光)の違いについて解説したいと思います。 放射という現象は電磁気、熱などの方面でも説明に使われますが、今回は発光に関する内容です。 温度放射とは 熱放射とも呼ばれますが、熱を伴う内部エネルギーの放出のことを言います。 放射エネルギーの放出は原子、分子、イオンなどの振動によって起こります。400℃程度までは主に赤外線で赤く見え、より高温だと白色光に見えるようになります。 光の波長と温度については、光高温計の記事にも解説しているのでぜひご覧ください。 ルミネセンスと ...
【電力】フェランチ効果って何?原理と対策について
交流送電を行う際、発生する問題の1つとしてフェランチ効果があります。 エネルギー管理士や電験3種などでもよく問われる現象の1つなので、発生要因や弊害、また防止するためのための対策についてイラストを用いて詳しく解説したいと思います。 フェランチ効果とは フェランチ効果とはある特定の条件下で受電端電圧が送電端電圧よりも高くなる現象です。 フェランチ現象と呼ばれる場合もあります。直流回路ではフェランチ効果は発生しませんが、交流回路では電圧と電流に位相のずれが生じることからこのような不思議な現象が起こります。 フ ...
【蒸気】減温注水って何?目的、計算方法は?
大型のプラントなどでは、蒸気配管に水を噴霧する減温注水があるところが多いです。 今回は、減温注水とは何か、目的や計算方法について解説したいと思います。 減温注水とは 減温注水とは過熱状態の蒸気に水を噴霧し、温度を下げることを目的に行われます。 一般的に蒸気タービンを回転させるための蒸気は、タービン効率を上げ、蒸気中の水滴によるタービンの減肉を防ぐために飽和温度より高い温度で利用されます。 この蒸気を過熱蒸気といい、過熱器によって作られます。過熱器はボイラーの排ガス熱や電気ヒーターなどを熱源とする場合が多い ...
【電力】今さら聞けない!VAとWの違い、使い分けは?
電気設備の選定をしないといけない時や、現場設備の点検などの際「VAとWってどっちも同じ単位じゃないの?」と思われた方も少なくないはず。 今回は、VAとWの違いについて解説したいと思います。 VA(ボルトアンペア)とは VAとは、交流回路において皮相電力Sのことを表す単位です。表記の通り、電圧(V)と電流(A)の積を表しています。 電源から供給される電圧と電流を掛け合わせることで計算できます。英語ではapparent power、つまり見かけの電力を意味します。 W(ワット)とは Wとは、交流回路において有 ...
【電力】進相コンデンサって何?仕組み、役割は?
電気の省エネについて考えた時によく出てくる力率改善。ポンプなどの誘導電動機によって発生する遅れ力率を改善することで電気料金を安く抑えることが出来ます。 今回はコスト削減のテーマで出てくる進相コンデンサとは何か?また、力率改善について解説したいと思います。 進相コンデンサとは? まずコンデンサの説明からしたいと思います。 コンデンサとはキャパシタとも呼ばれる、電気を蓄える特徴を持つ電子機器のことで、絶縁体を挟んだ2枚の電気伝導体から構成されます。 電荷を蓄える効果があるのですが、この際に交流電気の位相を90 ...
【電力】地中送電とは?メリットデメリットを詳しく解説
都市の景観をよくするために、電柱をなくす無電柱化を行うなんてことを聞いたことはないでしょうか? 今回は、電線を地中に通して送電を行う地中送電についてメリットやデメリット、方式などを解説していきたいと思います。 ※ こちらの記事は動画でも解説しています。 地中送電とは? 地中送電とは都市部や市街地で電線を地中に通し、送電を行うことです。送電とは別に配電という言葉を聞くこともあるかと思いますが、この2つは明確に使い分けがされています。 送電:発電所~変電所、変電所~変電所の線路 配電:変電所~需要家(各家庭等 ...
【電気】電界と磁界の違いとは?電磁界は何を表す言葉?
電磁気というと、皆さんのお仕事ではどんなところで関わるでしょうか? 一般的には電子機器の記録装置や制御機器への配線に電磁シールドケーブルを使用するときや、職場の安全衛生を検討するときに関わるのではないかと思います。 今回は、それらの基礎である、電界と磁界の違い、そして電磁界についてまとめてみました。 電界とは 電界とは、電気のある空間を指した言葉で、英語ではelectric fieldと言います。 電気をよく通すものに電圧がかかったときや、絶縁体が帯電しているときに、電界が発生します。後述の磁界が変化した ...
【電気】赤外加熱とレーザー加熱の違いは?
以前、電気加熱について、種類ごとに原理と特徴をまとめました。 今回は電気をエネルギー源にして、対象物に熱を伝える方法のうち、赤外加熱とレーザー加熱の違いについて解説したいと思います。 この動画の内容は、画像とテキストでも解説しています。 赤外加熱とは 赤外加熱とは、その名の通り赤外線によって伝えられる熱エネルギーで加熱をする方法です。 目に見える光は可視光と呼ばれ、波長の短さ順に紫・青・緑・黄・赤の順で並ぶのですが、赤色波長(780nm)よりも長い領域であるため赤外線と言います。ちなみに、地球に熱を与えて ...
【電気】アーク加熱と抵抗加熱の違い、使い分けは?
電気加熱というと排ガスが出ない、小型化できる、エネルギー管理が容易、といったイメージがありますね。今回はその中でも、溶解・溶接に用いられることが多いアーク加熱と抵抗加熱について解説したいと思います。 アーク加熱とは アーク加熱は、アーク放電を原理とした、急速加熱・局所加熱に有効な加熱方法です。 放電とは、電極間に大きな電位差を生み出した際に起こる、絶縁破壊と呼ばれる現象のことで、アーク放電では高温と共に大きな電流が流れるのが特徴です。 このとき、電極と電極の間の大気が回路となり、電気が流れる仕組みをしてい ...
【電気】抵抗温度係数と抵抗率の違い、使い分けとは?
導体の抵抗特性を表す指標として、抵抗温度係数と抵抗率があります。 それぞれ導体の電気の流しにくさを表す指標ですが、考え方が似ているため混同してしまいます。今回は抵抗温度係数と抵抗率の違いについて解説したいと思います。 抵抗温度係数とは 抵抗温度係数は、導体の温度が1℃変化したときの抵抗値の変化割合を指します。英語ではTemperature Cofficient Resistanceといい略してTCRで表されます。 記号はαで表され、単位は「ppm/℃」です。ppmはparts per millionの略で ...
【電気】自己インダクタンスと相互インダクタンスの違いとは?
電気の分野には紛らわしい単語が多く出てきますね。 今回は間違えやすい「自己インダクタンス」と「相互インダクタンス」の違いを解説します。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 自己インダクタンスとは 回路やコイルといった閉曲線に電流が流れるとその周囲には磁束が発生します。またファラデーの法則によって磁束が変化すると回路には誘導起電力が発生するので、回路に電流を流すと 回路に電流を流す。 流れた電流が回路の周辺に磁束を発生させる。 回路周辺の磁束が変化したのでその回 ...