【制御弁】ポジショナーって何?原理は?
空気動式の制御弁を選ぶときには、必ずポジショナーのタイプも選ばなければいけません。 しかし、制御弁についてあまり詳しくないうちは、ポジショナーが何のために必要なのか分からず何を選べばいいのかわからないという方も多いと思います。ネットで調べてみてもポジショナーがなぜ必要なのかを説明する分かりやすいサイトがなかったので、ここで簡単に解説してみたいと思います。 ポジショナーとは? ポジショナーは、調節計から送られてきた信号を機械的に制御弁に伝える役割を担っています。 調節計からの信号でバルブの開度を調整する場合 ...
【制御弁】制御弁が動く仕組みとは?
生産ラインの自動化には欠かすことの出来ない制御弁。今も多くの工場で、温度や圧力を一定にするために動いています。 工場の自動化が進む昨今では、手動でバルブを切り替えていたものに制御弁を導入して自動化するという事も多いのではないでしょうか? 今回は、制御弁がどのようにして動くのか。制御弁の仕組みについて解説してみたいと思います。 制御弁とは? 制御弁は空気や電気の力でバルブの弁開度を調整することが出来る自動弁です。電動バルブを利用したオンオフ制御とは違い、微妙な開度調整を行うことができます。 温度センサー、圧 ...
【バルブ】Cv値から流量を計算する方法は?
バルブの回転数からそこに流れている流量を知りたい!という事はありませんか?制御弁やバルブにはCv値という値が決められており、Cv値が分かれば前後の圧力差から流量を計算することができます。 今回はバルブのCv値と前後の圧力差から流量を計算する方法について書いてみたいと思います。 1. Cv値とは? まずは、Cv値とはなんぞや?というところから見てみようと思います。 Cv値とは「バルブの入出の圧力差が1psiとして60℃の水を流した時の流量をUSガロン/minで表した流量計数」です。 日本ではあまり聞きなれな ...
【伝熱工学】夏場の鉄棒が冷たいのはなぜ?
夏場、公園で鉄棒に触れたときに冷たく感じることを不思議に感じたことってありませんか? 公園の木に触ると冷たく感じないのに、鉄棒に触ると冷たく感じます。同じ気温のはずなのに感じ方に差が出るのはなぜでしょうか? 今回は夏場に公園の鉄棒を触ると冷たく感じる理由について解説してみたいと思います。 鉄棒が木よりも冷たく感じる理由は次の3つです。 鉄は木材よりも熱伝導率が高い 熱伝導率が高いと総括伝熱係数が大きくなる 総括伝熱係数が高いと熱の移動が大きくなる 専門用語が出てきたので一つずつ見てみたいと思 ...
【制御盤】ヒューズが飛ぶとは何か、詳しく解説します
電気機器を扱っていると「ヒューズが飛んだ!」なんてことを聞いたことがあるのではないでしょうか? 最近ではヒューズを使うことはほとんどありませんが、いまだに古い工場や家屋ではブレーカーではなくヒューズが使われていることもあるようです。今回は「ヒューズが飛ぶ」とはどういうことかについて詳しく解説します。 ヒューズとは ヒューズとは、電気回路の保護装置の一種であり、過電流が流れると自身が溶断することで回路を遮断し、他の部品や機器を守る役割を果たします。一般的に、ヒューズは金属製の細いワイヤやストリップで構成され ...
【制御盤】サーマルリレーとは何か、トリップするとどうなるか解説します
電動機などを扱っていると「サーマルがトリップして動かなくなった」なんて言葉を聞くことはありませんか? 電気についてある程度慣れている人にとっては当たり前のように扱う言葉ですが、始めて聞いた人にとっては何のことを言っているのかわからないということもあるかと思います。 この記事では、サーマルリレーとは何か、トリップが発生した場合の対処法について解説します。 サーマルリレーとは サーマルリレーは、電動機やその他の電気機器を過負荷から保護するために使用される機器です。過電流が流れた際に回路を遮断し、機器の損傷を防 ...
【制御盤】NFBとELBの違い、使い分けは?
制御機器に電源から電気を供給する際には、安全機能としてブレーカーが必要です。ブレーカーを選ぶ際には配線用遮断器や漏電遮断器がありますが、両者の違いは何でしょうか? 今回はブレーカーとしてよく採用されるNFBとELBの違いについて解説してみたいと思います。 動画でも解説しているので、動画のほうがいいという方はこちらをご覧ください。 NFB(No Fuse Breaker) NFBはNo Fuse Breakerの略で配線用遮断器を表します。ただ、実はこれは三菱電機の商品名から来ていて一般的には「MCCB(M ...
【制御盤】無電圧接点と有電圧接点との違いは!?
電気機器の制御盤から電気的な信号を受け取る際の出力方法に無電圧接点と有電圧接点というものがあります。 電気についてあまり詳しくない人にとっては、何がどう違うのかわからないという事も多いと思います。今回は、無電圧接点と有電圧接点の違いについて解説してみたいと思います。 動画解説も作ったので、動画のほうがいいという方はこちらをご覧ください。 無電圧接点とは? 無電圧接点は電磁リレーやスイッチのように、接点が入ってもそれ自体には電圧が印加されておらず無電圧の状態になることを言います。無電圧接点はドライ接点や乾接 ...
【配管】サニタリーで使うヘルールって何?メリットデメリットは?
食品や医薬などの工場でよく利用される配管の接続様式にヘルール接続というものがあります。一般的には利用される頻度が少ないので「ヘルール」って何?という方も多いと思います。 今回の記事では、ヘルール接続とは何か、ヘルールのメリットデメリットについて書いてみたいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 1. ヘルールとは? ヘルールは配管同士、または配管とバルブを接続するときの接続方式の一つです。英語のFerruleから来ておりそのままの発音で「フェルール」 ...
【流体工学】流体の粘度を表す単位と比較について
流体のねばり度合いを表す指標に粘度があります。工場などで新たな設備を導入するときには、そこで扱う流体の粘度が記されている場合が多いです。 粘度が高ければ、粘り気が大きくなるというのは感覚的に分かりますが、記載されている粘度が一体どれぐらいなのか感覚的に分かりにくいことはありませんか? 今回は、粘度を表す単位や数値ごとにどれぐらいの粘り気なのか感覚的に分かるように一般的な製品と比較してみたいと思います。 1. 粘度の単位 粘度は物質のねばり度合いを表す指標でμ(ミュー)という記号で表されます。粘度が高ければ ...
【熱力学】キロ、パスカル、圧力の単位が人によって変わる理由
水や蒸気、ガスなどの流体を扱うときに 「その圧力は何キロ?」と言われることもあれば 「その圧力は何メガパスカル?」と言われることもあります。 このように、人によって圧力の単位が微妙に違うので混乱してしまうことがしばしばあります。例えば、「何キロ?」と聞かれているものが「kPa」なのか「kgf/cm2」なのかわからないというところが厄介です。 なぜ人によって圧力の単位の認識が違うのでしょうか?それはSI単位の導入時期と関係がありました。 圧力の単位 圧力を表す単位は大体次のようなものが利用されます。 Pa ...
【ポンプ】ジュール熱って何?液体の温度が上昇する理由
ポンプを締め切り運転すると、水の温度が上がってきたという経験はありませんか? 電動ポンプは電気によって液体に圧力を加えて輸送する機械ですが、与えた電力すべてが運動エネルギーに変換されるわけではなく、一部が水の温度エネルギーに変換されます。 今回は、ポンプと熱エネルギーの関係について書いてみたいと思います。 1. ポンプと熱の関係 では、ポンプを稼働させたときにどの程度の割合で運動エネルギー、熱エネルギーに変換されるのでしょうか? これはポンプの条件によって変わりますがポンプ効率という指標で見ることができま ...
【エネルギー管理士】どんな資格?分かりやすく徹底解説します。
国家資格の1つであるエネルギー管理士は、省エネ意欲の高まりから今後も需要が伸びていくと考えられます。 この記事では、エネルギー管理士とは何か?取得方法や難易度などについて詳しく解説したいと思います。 ※ こちらの記事は動画でも解説しています。 エネルギー管理士とは? エネルギー管理士は経済産業省が管轄している「エネルギー使用の合理化等に関する法律(=省エネ法)」で規定されている国家資格です。 1997年から開始されており、一般財団法人の省エネルギーセンターにより運用されています。 省エネ法では1年で一定量 ...
【熱交換器】プレート式熱交換器のU値を簡単に計算する方法
プレート式の熱交換器を選定するときに、U値がどのくらいになるのか計算したい時ってありますよね。 一般的なU値は熱伝導率や胸膜伝熱係数によって計算できますが、そこまで精緻な値じゃなく、もっと簡易的にU値を計算する方法をご紹介します。 プレート式熱交換器のU値の求め方 プレート式熱交換器のU値はこちらのシミュレーターを利用して計算ができます。 ⇒ HISAKA Web Simlator このシミュレーターはプレート式熱交換器メーカーの日坂製作所が一般向けに公開しているソフトで条件を入れると自動で熱交換器を選定 ...
【配管】ガスケットとパッキンの違いは?
金属と金属をボルトで接続するときやプラスチック同士を接続するときなどに、内容物の漏れを防止するためにガスケットやパッキンなどのシール材が利用されます。 今回は同じ機能なのに呼び方が違うガスケットとパッキンの違いについて書いてみたいと思います。 1. ガスケットとパッキンの違い ガスケットとパッキンの呼び方の違いは接続部が動くかどうかです。 ガスケット・・・固定箇所の漏れ止め パッキン・・・運動箇所の漏れ止め 配管と配管、配管とバルブなど一度固定してしまえば動かない箇所の漏れを防止するために利用するシール材 ...
【熱力学】水の流量を測定する方法
工場やプラントで新しい設備の導入を検討するときや省エネの検討をするときに、今の設備がどれぐらいのユーティリティを使っているのか知りたいことってありませんか? 既に計測機器が設置されていてきっちり管理されている場合は問題ありませんが、ほとんどの場合はそれぞれの設備で流量計測が実施されていることはありません。 今回は、流量計の設置されていない設備で水の流量を計算する方法について書いてみたいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 水の流量を測定する方法 水 ...
【ポンプ】電流値は何で決まる?高い時と低い時の違いは?
ポンプの異常を検知する際に、制御盤などに設置されている電流計の電流値を利用する場合があります。しかし、電気にあまり詳しくなければポンプの電流値って何?定格電流値って何?という人も多いと思います。 今回は、電気に詳しくない方向けにポンプの電流値とは何かについて解説してみたいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 ポンプと電流値の関係 ポンプと電流値の関係は次の式で表すことが出来ます。 $$負荷動力P[kW]=電圧[V]×電流[A]×力率$$ 負荷動力の ...
【燃料】水素を使えば地球温暖化が防げる?水素の製造方法や今後の可能性は?
トヨタ自動車が次世代自動車として他メーカーに先駆けて水素を燃料とする自動車「MIRAI」を発売しました。たまに街を走っているのを見るとつい凝視してしまいます。 「MIRAI」は水素を使った燃料電池でモーターを回して走る電気自動車でエンジンなどの内燃機関を利用するわけではありません。 水素は、燃焼後に水しか出さない燃料として地球温暖化防止策の一つとして重要視されています。 今回は、化石燃料の代わりに水素を利用すれば本当に地球温暖化は防止できるのか?そもそも水素はどうやって作られるのかについてエネルギーの観点 ...
【燃料】発熱量の測定方法は?
単位質量あたりの化石燃料がどの程度の熱量を持つかという指標に発熱量があります。 そして燃料の発熱量を測定するのに気体燃料、液体燃料、固体燃料それぞれで決められた方法があります。今回は燃料ごとの発熱量の測定方法について解説してみたいと思います。 1. 気体燃料 気体燃料とは主に次のものがあります。 LNG(液化天然ガス) LPG(液化石油ガス) コークス炉ガス他 気体燃料の発熱量を測定するためには次の2つの方法が用いられます。 1-1. ユーカンス式流水形ガス熱量計 ユーカンス式流水形ガス熱量計は、ガスを燃 ...
【燃料】石炭の燃料比、性質とは?
石炭には質を表す指標として燃料比があります。 今回は石炭の質を表す石炭化度やその他の性質について書いてみたいと思います。 1. 石炭の燃料比とは? 石炭の燃料比は石炭化度とも言われ、固定炭素と揮発分との割合を示す次の式で表されます。 $$燃料比=\frac{固定炭素}{揮発分}$$ 石炭化度は元となる植物が石炭に変化する過程を表したもので、石炭化度が進むと固定炭素が増加し、揮発分が減少します。これにより燃料比が増加していきます。石炭化度の大きいものから石炭の種類を表すと次のようになります。 無煙炭(むえん ...
【燃料】石炭とコークスの違いは?
石炭とコークス、イメージはどちらも同じように思いますがいったい何が違うのでしょうか? 今回は石炭とコークスの違いについて書いてみたいと思います。 ※ こちらの記事は動画でも解説しています。 チャンネル登録はこちら 石炭とコークスの違い 石炭とコークスの違いは、自然から掘り出された原料が石炭、それを加工してより発熱量を増加させたものがコークスです。燃料のほかに製鉄業での鉄鉱石の還元剤などに利用されます。 コークスは灰分を含んだ多孔質の炭素質で,骸炭ともいいます。 掘り出されてすぐの石炭は、サイズ、水分量、発 ...
【燃料】オクタン価とセタン価の違いは?
燃料の優劣を表す代表的な指標にオクタン価とセタン価があります。今回はオクタン価とセタン価の違いについて書いてみたいと思います。 エネルギー管理士試験でも良く問われるのでしっかり理解しておきましょう。 ※ こちらの記事は動画でも解説しています。 1. オクタン価 オクタン価は自動車の燃料などに利用されるガソリンの質を表す指標です。オクタン価が高いほどエンジン内で自己着火が起こりにくくノッキングを起こしにくく良質なガソリンとされています。 石油精製プラントでは通常の蒸留によって取り出されるガソリンに、様々な添 ...
【制御弁】正動作(NO)と逆動作(NC)の違い、使い分けは?
制御弁を選定する際には、正動作(Normal Open)か逆動作(Nomal Close)かを決めなければいけません。では、正動作(NO)と逆動作(NC)は一体何が違うのでしょうか? 今回の記事では正動作(NO)と逆動作(NC)の違いとその使い分けについて書いてみたいと思います。 正動作(NO)と逆動作(NC)の違いとは? 正動作と逆動作の違いは次のようになります。 PID制御の場合 正動作(NO)・・・調節計からの出力が増加すると閉弁の方向に動く 逆動作(NC)・・・調節計からの出力が増加すると開弁の方 ...
【圧力計】グリセリンを入れるのはなぜ?どんなところに使うの?
お客さんポンプにつける圧力計は良く壊れるのでグリセリン封入型にしてください。 あなたグリセリン・・・?なんで圧力計にアルコールを入れるんだろう・・・。 ポンプなどの回転機に圧力計を設置する場合は、圧力計の故障を防止するためにグリセリン封入型を利用する場合があります。この記事では圧力計にグリセリンを封入する理由について書いてみたいと思います。 1. 圧力計にグリセリンを入れる理由 圧力計にグリセリンを入れる理由は、振動により圧力計が故障するのを防止するためです。通常の圧力計をポンプやコンプレッサーに設置して ...
【自動制御】比率制御って何?どんな時に使うの?
プラントでの代表的な自動制御方法の1つに「比率制御」があります。 この記事では比率制御とは何か?どんな時に利用されるのかについて書いていきたいと思います。 比率制御とは? 比率制御は測定したAの流量に対してBが一定の比率になるように制御することを言います。比率制御を行うにはそれぞれのラインに流量計を設置して流量を測定する必要があります。 比率制御が利用される場面は非常に限られており、バーナーの空気量制御が代表的です。 例えば、ボイラーのバーナーに供給する空気量を制御する場合、次のステップで制御を行います。 ...
【業務】デビエーションリスト(デビクラ)って何?作成する目的は?
プラントの設計を行う担当者と仕様について話をする場合には必ずと言っていいほど、デビエーションリスト(通称:デビクラ)の作成を求められます。 この記事ではデビエーションリスト(デビクラ)とは何かについて解説してみたいと思います。 デビエーションリスト(デビクラ)とは? デビエーションリストは、購買仕様書に対してメーカ側が「対応できるものと対応できないもの」をリストにしたものでクラリフィケーションリストとも呼ばれます。 プラントでは、配管からバルブや計装機器などが膨大な数取り付けられています。これらの機器の仕 ...
【ヒートポンプ】省エネ機器といわれるのはなぜ?原理や用途を徹底解説
近年、省エネルギー機器の代表としてヒートポンプが良く出てきます。製品名としてはエコキュートやエコジョーズなどが有名ではないでしょうか?普段生活していると、CMなどでよく耳にするヒートポンプですが、なぜ省エネ機器になるのかご存知でしょうか? この記事では、ヒートポンプとは何か?また、その原理やどんなところで利用されているのかについて詳しく解説してみたいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 1. ヒートポンプとは? ヒートポンプは気体を圧縮や膨張させる ...
【エネルギー管理士】受験者は必ず読んでほしい!試験当日の心構えと注意点
とうとうエネルギー管理士試験当日を迎えました。数ヶ月前から貴重な休日を使って勉強してきた人も今回は科目を絞って勉強してきた人も初年度の私のように殆ど無勉強で挑んでいる人もいるかと思います。 そんなすべての方がしっかりと今ある実力を出し切れるように、試験当日の心構えや注意点について書いてみたいと思います。 この記事を読んであなたの点数が1点でも上がれば幸いです。 エネルギー管理士試験を受けるときの心構え 試験当日は次の7つのポイントに注意してください。 持ち物をチェックしよう 試験開始でまずは全体を眺めてみ ...
【エネルギー管理士】これだけで合否が変わる!試験を受けるとき8つの注意点。
もうすぐエネルギー管理士の本番ですね。みなさん試験勉強は進んでいるでしょうか? エネルギー管理士試験は全体の範囲は広いですが過去問を中心に勉強して、一つでも多くの課目の合格を目指しましょう! さて今回は試験直前ということもあり、エネルギー管理士試験を受ける前に必ず押さえておきたいポイントをまとめておきたいと思います。 試験にあまり関係のないところの準備不足で当日焦らないように注意しましょう。 詳細な試験の手引きについてはこちらをご覧ください。 ⇒ エネルギー管理士試験 受験の手引き(外部リンク) エネルギ ...
【熱機関】コージェネレーションとコンバインドサイクルの違いは?
大規模な工場では、自家発電設備を保有し、燃料から電気と蒸気を取り出すコージェネレーションシステムが構築されています。 今回は、電気と蒸気を取り出すコージェネレーションとコンバインドサイクルの違いについて書いてみたいと思います。 コージェネレーションとは? コージェネレーションはガスタービンやガスエンジンを利用して発電した後、大量に出る排熱で蒸気や温水を作り出すシステムです。 ガスタービンを用いた場合は排熱ボイラーと組み合わせて蒸気を発生させ、ガスエンジンを用いた場合は熱交換器で温水を作り出すのが一般的です ...
【熱力学】ワットとカロリーの変換方法
熱をあつかうときに厄介なのが、エネルギーを表す単位です。カロリー、ワット、ジュール、キロワット、キロカロリー・・・。これらの単位をしっかり理解できれば、エネルギーの考え方を理解できたも同然です。 今回は、ワットとカロリーの変換方法について解説したいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 1. ワット まずはおさらいでワットについて考えてみましょう。 ワットは熱機関の祖であるジェームスワットにちなんでつけられた単位で、1秒当たりに1ジュール生じさせる仕 ...
【熱機関】スターリングサイクルとは?わかりやすく徹底解説します
スターリングサイクルはスターリングエンジンに利用される熱サイクルでシリンダ内に封入されたガスを加熱・冷却することでピストン運動を行うサイクルです。スターリングサイクルの基本はカルノーサイクルと同様になります。 この記事では、スターリングサイクルとはどのようなサイクルなのか、カルノーサイクルとは何が違うのかについて解説していきたいと思います。 スターリングサイクルとは? スターリングエンジンは2つの等温過程と2つの等容過程からなるサイクルです。スコットランドのロバート・スターリングによって1816年に発明さ ...
【安全弁】安全弁の呼び径は何で決まる?
安全弁を選ぶ際には、型式とは別に呼び径を決めなければいけません。では、安全弁の呼び径は何を基準に決めればいいのでしょうか? 今回は、安全弁の呼び径を選ぶ際の考え方について解説してみたいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 1. 安全弁に求められる機能とは? 安全弁は、設定圧力より装置や配管の内圧が高くなった際に作動する弁です。装置や配管には耐圧(耐えられる最大の圧力)があるので、不測の事態により圧力が上がりすぎると故障のリスクが出てきます。 ですの ...
【伝熱工学】熱容量って何?大きいものと小さいものの違いは?
ある物体の温度を1℃(K)上げるのに必要なエネルギーを熱容量といいます。単位はkJ/Kで表されます。 今回は、熱容量とは何か、どのようなときに利用されるかについて解説してみたいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 1. 熱容量とは? 熱容量は物体の質量m[kg]に比熱c[J/kgK]を掛けることで計算することが出来ます。熱容量が大きければ温度が上がりにくく、熱容量が小さければ上がりやすいということになります。 $$C=mc$$ C:熱容量 J/K ...
【熱力学】エンタルピーって何?内部エネルギー、エントロピーとの違いは?
エンタルピーと聞くと何を思い浮かべますか? 物体の持つエネルギー量・・・ エントロピーとは全く別の概念・・・ 難しい数式で表されて良くわからないもの・・・ そんなイメージを持っている人も多いのではないかと思います。 確かに熱力学の教科書を読むと最初の方に何やらよくわからない数式とエンタルピーが一緒に出てきて頭が混乱してきます。でも、実際にはエンタルピーは工業系の実務で使えるとても便利な考え方なのです。 今回はそんなエンタルピーがどんな場面で利用されているのかについて解説します。 エンタルピーとは? エンタ ...
【熱力学】状態量とは何かについてわかりやすく解説してみた
熱力学を勉強していると「状態量」という言葉が出てきます。例えば圧力と温度は状態量ですが、熱量は状態量ではありません。圧力と体積は状態量ですが仕事は状態量ではありません。エンタルピーやエントロピーは状態量です。 では、状態量とそうではないものの違いは何でしょうか?今回は熱力学の状態量とは何かについて例を交えて解説してみたいと思います。 1. 状態量とそうでないものの違い そもそも状態量とは何でしょうか? Wikipediaによると次のようなことが書かれています。 状態量(じょうたいりょう、英語: state ...
【流量計】カルマン渦って何?原理や活用法について
一定の速さで流れるある流体の中に障害物を置くと、障害物の後方に渦が発生します。この発生する渦をカルマン渦といいます。 今回は流体力学を理解する上で欠かせないカルマン渦について動画を用いながら解説していきたいと思います。 カルマン渦とは? カルマン渦はハンガリー出身のアメリカの流体力学者カールマン・トードルにちなんで名づけられたもので、流れの中に障害物を置いたり、固体を動かしたりすると後方に交互に渦の列ができる現象です。 掲げた旗が風でなびいたり、川を流れる葉っぱが石の後ろで回転していたり、風が吹くと電線が ...
【熱機関】ブレイトンサイクルとは?わかりやすく徹底解説します
ブレイトンサイクルは、ガスタービンやジェットエンジンで利用される熱サイクルです。燃料を燃やして発生するガスを利用して推進力や回転力を得ることが出来ます。 この記事では、ブレイトンサイクルを利用してガスタービンやジェットエンジンがどのように動力を得るのか、また、効率良くエネルギーを取り出すためにはどうすればいいのかについて解説していきたいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 ブレイトンサイクルとは? ブレイトンサイクルはアメリカのジョージ・ブレイトン ...
【熱機関】ディーゼルサイクルとは?わかりやすく徹底解説します
ディーゼルサイクルはディーゼルエンジンなどに利用される熱サイクルでオットーサイクルと同様に燃料の熱エネルギーをピストン運動に変換します。 この記事ではディーゼルサイクルとはどのようなサイクルなのか、オットーサイクルとは何が違うのか、また効率を高めるためには何がポイントなのかについて解説していきたいと思います。 ディーゼルサイクルとは? ディーゼルサイクルはドイツのルドルフ・クリスチアン・カール・ディーゼルにちなんで名前が付けられた熱サイクルで低速ディーゼル機関の理論サイクルです。オットーサイクルの定容加熱 ...
【熱機関】オットーサイクルとは?徹底的にわかりやすく解説します
オットーサイクルは、ガソリンエンジンやガスエンジンなどで利用される火花点火の熱サイクルで、ガソリンなどの燃料が持つ熱エネルギーをピストン運動に変換します。 この記事ではオットーサイクルとは何か、基本的な考え方や効率の計算方法について解説します。 オットーサイクルとは? オットーサイクルは、内燃機関の一種で、ガソリンエンジンの基本的な動作原理を説明する理論的なサイクルです。 1876年にドイツの技術者ニコラウス・オットーによって発明されました。オットーサイクルは、吸気、圧縮、燃焼(爆発)、排気の4つの工程か ...
【燃料】LNG、LPG、都市ガスの違いとは?
近頃では、企業も環境問題を意識するようになりボイラーなどの燃料をガス化することが増えています。燃料をガス化すれば、液体や固体燃料に比べて低い空気比で燃焼させることができ、さらに硫黄分をほとんど含まないので、酸性雨などの環境問題対策になります。 また、エコノマイザなどを利用する際も排ガスの酸露点を気にすることなく限界まで排ガスの熱を取れるので省エネルギーにもなります。実際に燃料が転換される際には、ガス燃料のメリットと燃料そのもののコスト上昇のデメリットを考えながら供給されます。 今回は、ガス燃料の中でよく利 ...
【自動制御】蒸気の流量制御と圧力制御の違いとは?
蒸気の流れを制御するときに、代表的なもので圧力制御と流量制御があります。どちらも制御形式が似ているので良く混同されてしまいます。 圧力制御と流量制御は何が違うのでしょうか?今回は、圧力制御と流量、制御の違いやその使い分けについて書いてみたいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 1. 圧力制御と流量制御の違い 圧力制御と流量制御は言葉の通り、制御弁二次側の圧力を一定にする制御か制御弁を流れる流量を一定にする制御かの違いです。 大半は圧力制御が利用され ...