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エコおじい
プラント業界一筋のエンジニアです。「工業技術をどこよりも分かりやすく解説する」をテーマに2017年からブログ、Youtubeで情報発信をしています。保有資格はエネルギー管理士と電験三種です。
ボイラー効率を向上させる機器の一つに空気予熱器があります。 今回は空気予熱器とは何かについて解説したいと思います。こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらも合わせてご覧ください。 空気予熱器とは 空気予熱器はボイラーに送る燃焼用の空気を加熱する熱交換器のことを言います。 似たような役割をする機器にエコノマイザがありますが、エコノマイザはボイラー給水と排ガスを熱交換させるのに対して、空気予熱器は燃焼用の空気との熱交換を行います。 熱源はエコノマイザと同様に排ガスの事もあれば、プ ...
プラントを設計する際に重要な書類の1つに購買仕様書があります。 非常に重要で、当たり前のように日々企業間でやり取りがされている書類ですが、初めて見るという人にとっては何を表す書類なのか分からないということもあるのではないでしょうか? 今回は購買仕様書を受け取った側、書く側それぞれの方に向けて購買仕様書とは何かについて解説したいと思います。 購買仕様書とは 購買仕様書は購入する機器の仕様が細かく記載されている書類の事です(購入仕様書という場合もあります)。 機器によって記載される内容は変わりますが、温度、圧 ...
大型の生産ラインなどを見ていると、制御弁が並列に数台設置されているのを見たことがないでしょうか? 制御弁は流量を自動で制御してくれるので、大きいものを1台つけておけば問題なさそうですが、あえて並列設置をしているのには理由があります。 今回は制御弁を並列設置する理由について解説します。こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 制御弁を並列設置する目的 制御弁を並列に設置するのは次のような理由からです。 制御性を上げる 立ち上げ速度を緩やかにする 制御弁を並列に設置する ...
抽気タービンには抽気蒸気の圧力を制御する方法として内部抽気圧力制御と外部抽気圧力制御があります。 今回はそれぞれの違いについて解説します。こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 内部抽気圧力制御とは 内部抽気圧力制御は蒸気タービンのユニット内に圧力制御弁を組み込み、抽気圧力を一定にする制御方式です。図に表すと次のようになります。 内部抽気圧力制御の場合、抽気圧力を一定にするようにユニット内部の制御弁が動くので、タービン中段から取り出す抽気圧力が一定になります。一方 ...
電気の勉強をしていると電気、磁気で似ているような言葉が多く出てくるので分かりにくいですよね。 今回は、磁気の中でも概念が似ている磁力線と磁束の違いについて解説したいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 磁力とは まず、磁力とは磁界の間に働く力のことを言います。磁極が異なる場合は吸引力が働き、磁極が同じであれば反発力が働きます。 上の図のように磁荷m1[Wb](ウェーバー)とm2[Wb]の物体があった場合、それぞれに働く磁力は次の式で計算することが出 ...
コンデンサに電荷がたまると極板間には電界が発生します。 電界は極板間の距離と電圧によって決まってくるのですが、コンデンサの電気容量も距離が関係してくるなど複数の要素が絡みあっているので分かりにくいと感じる方も多いのではないかと思います。 今回は、コンデンサの電界の強さについて解説したいと思います。こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 電界とは 電界とは静電力が働く空間のことです。電荷の周囲には電界が生じ、電界の中に電荷を置くと引っ張られたり押されたりします。 電 ...
以前、電気加熱の種類について概要をまとめ、いくつか詳細に解説しました。産業分野では古くから使われている方法が多く採用されることが多いですが、近年新しい方法が実用化し、化学プラントで使われ始めています。 今回は、産業分野では新顔のマイクロ波による加熱方法について解説していきます。電気加熱の種類についてはこちらをご覧ください。 マイクロ波については会話形式でも解説しています。 マイクロ波とは マイクロ波は電磁波の一種です。電磁波とは、電気の力が作る空間(電界)と磁石の力が作る空間(磁界)が組み合わされた波のこ ...
巷で話題のオイルヒーターですが、電気代が高いという評判もあるため、実際のところどうなのかを計算してみました。 この記事では、オイルヒーターの電気代を計算する方法やエアコン、灯油ヒーターと比較してどうなるのかを熱計算の観点から解説しています。こちらの動画で会話形式でも解説しています。 オイルヒーターの原理 まず、オイルヒーターで部屋を暖めるのは次のようになります。 電気ヒーターでオイルを温める。 オイルが循環してパネルが温まる。 パネルからの放熱で部屋が温まる。 オイルヒーターという名前ですが、オイルまあく ...
蒸気タービンを設置する場合には、セットでグランドコンデンサーを設置するのが一般的です。 今回は、グランドコンデンサーをなぜ使用するのか良く分からないという方に向けて、グランドコンデンサーを設置する目的を解説したいと思います。 グランドコンデンサとは グランドコンデンサーとはタービンの軸封部から発生する漏れ蒸気や空気の吸い込みを防止するシール蒸気を凝縮させるための機器です。 発電機にせよポンプにせよ、蒸気でタービンを回し仕事を得る場合は必ず車室を貫通するローターが存在します。このローターは常に回転するため、 ...
プラントの圧縮空気には大きく分けて計装空気と雑用空気の二つがあります。 プラントを設計する場合はこの2つを分けて考えることが多いのですが、普段利用している方はどういう違いがあるのか分からないという方もいるのではないでしょうか? 今回は計装空気とは何か、雑用空気との違いについて解説したいと思います。 計装空気とは 計装空気は制御弁の駆動や流量計などの計装機器に使用される圧縮空気の事です。計装空気には次の3つが求められます。 圧力が一定で変動がないこと オイル、水分、ダストなどが混じらないこと 非常時も止めて ...
プラント関係の仕事をしていると、必要提出書類の中に「ローディングデータ」があることが良くあります。 プラントを建てる側にとってはよく目にする資料ですが、メーカーや商社の方にとってはあまり見慣れないものかもしれません。今回はローディングデータとは何か、その目的について解説したいと思います。 ローディングデータとは ローディングデータは機器の重さ、重心、大きさ、慣性力、許容変位量などを表す資料です。機器によってはアンカーボルトの位置や種類、基礎形状、穿孔深さなども記載してあることがあります。 架台、ポンプ、タ ...
電気加熱について勉強していると「正味電力」とか「正味電力量」という言葉が出てきますよね。 正味電力と聞くと皮相電力のように何かしら定義があるように感じるかもしれませんが、実は言葉の定義はもっと単純なものでした。あまり調べても出てこないようなのでこの記事で解説したいと思います。 正味電力とは 正味電力とは実際に使用される正味の電力の事です。 例えば次の様な問題を考えてみます。 120kg、比熱0.52kJ/kgKの電気炉を20℃から620℃に20分で加熱する場合、必要な正味電力、正味電力量はいくらか? これ ...
配管の選定をしていると、サイズだけではなく材質や強度、接続方式、保温、塗装など考えないといけないものがたくさんあって迷いますよね。 今回は、その中でも迷いやすい「電縫管とシームレス管の違い」について解説したいと思います。 電縫管(溶接管)とは 電縫管は板状の鋼を円形に成形し、接続部を電気抵抗溶接によって接合したものです。炭素鋼鋼管、ステンレス鋼管。低合金鋼管など様々な材質の配管が製造できます。 8A程度の小径から650A程度の大口径まで幅広く対応でき、連続的に生産できるのでコストも安く抑えることが出来ます ...
排ガス中の窒素酸化物やばいじんの濃度を規制する場合にO2〇〇%換算という文言をみることはないでしょうか? この記事ではO2換算とは何か、計算方法とその目的について解説したいと思います。 O2換算とは O2換算は次の式で計算することができます。 $$C=C_s×\frac{21-O_n}{21-O_s}$$ C:窒素酸化物の濃度[ppm] Cs:窒素酸化物の実測濃度 On:標準酸素濃度 Os:排ガス中の酸素濃度 計算自体は簡単ですが、なぜこのような計算を行うのか意味をしっかりと理解しておく必要があります。 ...
燃料のエネルギーを電気と熱として有効に利用する方法の一つに背圧タービンがあります。 今回は蒸気タービンの一つ、背圧タービンについて解説したいと思います。 背圧タービンとは 背圧タービンは蒸気タービンの一種で排気圧力が大気圧以上のタービンです。 排気をプロセス加熱として利用することで、全体の熱効率を大幅に向上させることが出来ます。コージェネレーションシステムやコンバインドサイクルなどで良く利用されているタービンです。 また、大型のプラントでは発電目的以外でも電動ポンプと同じ用途で並列に設置し、停電時のバック ...
前回、蒸気の圧力を下げると省エネになるのか?という記事で間接加熱の場合の計算を記載したので、今回は直接加熱についても書きたいと思います。 蒸気で直接加熱する場合の計算方法① まず、上の図のようにタンクに水をため、直接蒸気を投入して加熱する場合を考えます。この時、タンクには温度センサーを設置し、制御弁によってタンク内の温度を調整します。 次の条件で計算を進めていきます。 10℃の水、10トンを60℃まで加熱するのに0.3MPaGの蒸気はどれだけ必要か 直接蒸気を投入して計算する場合は間接加熱のように単純な計 ...
先日読者の方から「蒸気の圧力を下げると省エネになるのはなぜか教えてほしい」という質問をいただきました。 そこで、今回はその回答を記事にしてみたいと思います。 蒸気の圧力を下げると省エネになるといわれる理由 熱交換器に供給する蒸気の圧力を下げると省エネになるといわれる理由は「圧力を下げた方が潜熱が増加するから」です。 熱交換器を用いた間接加熱では、被加熱物を加熱するのに使用するのは蒸気の潜熱です。交換熱量を加熱している蒸気の潜熱で割ると蒸気使用量が計算できますが、分子の潜熱が大きくなることにより使用量が小さ ...
冷却塔(クーリングタワー)では循環水を気化させることで温度を下げるため、補給水中の不純物は何もしなければどんどん濃縮していくことになります。 これを防ぐために一定量をブローして補給水と入れ替える必要がありますが、どの程度ブローしないといけないかは濃縮倍数によって決まります。 プラントを設計する場合には冷却塔での濃縮倍数は使用する水量に大きく影響を与えるので注意が必要です。今回は、冷却塔の濃縮倍数について解説したいと思います。 濃縮倍数とは 濃縮倍数とは、冷却塔に補給する水に対し、どれだけ濃縮させることを想 ...
普段テスターを使わない人向けの記事、第二弾です。 以前の記事では、電圧と抵抗の測定方法を紹介しましたが、今回はテスターを使用した電流測定とその注意点について解説します。 電流測定の仕組み テスターは電圧や抵抗を変換して直流電圧測定部で測定すると、以前のテスターの説明で説明しました。 直流電流測定の場合は、テスター内部の標準抵抗器を介して変換した電圧値を計測しています。交流電流を測定できる機種の場合は、電圧変換後に、交流/直流変換が行われて、変換後の電圧が計測されます。 電流測定方法 直流回路の電流を測定す ...
ボイラーの運転動作の一つに連続ブローというものがあります。普段、ボイラーを扱う方にとっては当たり前のことですが、初めて見た方は何のために連続ブローを行っているのか分からないこともあるかと思います。 今回は、ボイラーの連続ブローとは何か、また缶底ブローとの違いについて解説したいと思います。 連続ブローとは 連続ブローとは、ボイラー缶水で不純物が濃縮するのを防止するために缶水の一部を連続的に外部に排出することを言います。一般的には電磁弁や電動弁などの自動弁を一定周期ごとに開閉させることでブロー量を制御していま ...
テスターを現場で使う、というのはありふれた作業ですが、普段使わない人にとっては緊張しますよね。 今回は、テスターの仕組みと、電圧・抵抗測定をする方法について解説したいと思います。 テスターの構成部品 テスターはハンディータイプ、ペンシルタイプなどいくつかありますが、構成部品の例を紹介します。 テスターには直流電圧、交流電圧、抵抗、電流など測定する機能がありますが、全て直流電圧測定部を通ります。つまりどの値も直流電圧に変換して、観測値に換算しているということです。 測定目的に応じて、電圧測定時には分圧器、抵 ...
ボイラーなどを見ると、燃料の供給ラインに対して、排ガスのダクトがかなり大きく設計されているのを見たことはありませんか? 今回はなぜそのような設計になるのか、燃料を燃やしたときに発生する排ガス量の計算方法について解説したいと思います。 排ガスとは 排ガスとは燃料が燃焼したときに発生する気体のことです。 主な成分は二酸化炭素CO2、水蒸気H2O、窒素N2、そして過剰に供給した酸素O2などです。計算の際に水蒸気を含めたガスを湿りガス、除いたガスを乾きガスといいます。 排ガスの量はエコノマイザでの流速や伝熱量など ...
流体に関する勉強をしていると、ベルヌーイの定理、ベンチュリ効果などに関連して「コアンダ効果」という言葉を目にするのではないでしょうか。 今回は、コアンダ効果の解説と実用例について紹介したいと思います。 コアンダ効果とは コアンダ効果とは、流れる流体(噴流)が近くの壁に対して相互作用を生じ、引き寄せられていく現象を表した言葉です。流体の粘性の効果により、周りの流体を引き込みます。 よく見る説明実験では、水道の水に丸みを帯びた物(スプーンなど)を近づけて、引き寄せられることを確認したり、ピンポン球に下から風を ...
今回は放射の中でも温度放射とルミネセンス(冷光)の違いについて解説したいと思います。 放射という現象は電磁気、熱などの方面でも説明に使われますが、今回は発光に関する内容です。 温度放射とは 熱放射とも呼ばれますが、熱を伴う内部エネルギーの放出のことを言います。 放射エネルギーの放出は原子、分子、イオンなどの振動によって起こります。400℃程度までは主に赤外線で赤く見え、より高温だと白色光に見えるようになります。 光の波長と温度については、光高温計の記事にも解説しているのでぜひご覧ください。 ルミネセンスと ...
交流送電を行う際、発生する問題の1つとしてフェランチ効果があります。 エネルギー管理士や電験3種などでもよく問われる現象の1つなので、発生要因や弊害、また防止するためのための対策についてイラストを用いて詳しく解説したいと思います。 フェランチ効果とは フェランチ効果とはある特定の条件下で受電端電圧が送電端電圧よりも高くなる現象です。 フェランチ現象と呼ばれる場合もあります。直流回路ではフェランチ効果は発生しませんが、交流回路では電圧と電流に位相のずれが生じることからこのような不思議な現象が起こります。 フ ...
大型のプラントなどでは、蒸気配管に水を噴霧する減温注水があるところが多いです。 今回は、減温注水とは何か、目的や計算方法について解説したいと思います。 減温注水とは 減温注水とは過熱状態の蒸気に水を噴霧し、温度を下げることを目的に行われます。 一般的に蒸気タービンを回転させるための蒸気は、タービン効率を上げ、蒸気中の水滴によるタービンの減肉を防ぐために飽和温度より高い温度で利用されます。 この蒸気を過熱蒸気といい、過熱器によって作られます。過熱器はボイラーの排ガス熱や電気ヒーターなどを熱源とする場合が多い ...
発電所や大型プラントなどで良く利用されているタービンに抽気タービンがあります。 復水タービンの場合は、全ての蒸気が復水器に入るので出力の計算も分かりやすいですが、抽気タービンになるとどうやって出力を決めればいいのかわからないという方もいるかと思います。 そこで、今回は抽気タービンを使用した場合の出力計算方法について解説したいと思います。 抽気タービンとは 抽気タービンは、駆動蒸気の全てを復水器に回さずにタービン後段で一部取り出すように作られたタービンです。 取り出した低圧の蒸気はプロセスの加熱用に利用した ...
高圧の蒸気を発生させるボイラーを使用する場合、必ずと言っていいほど脱気器がついています。 今回は、脱気器とは何か?について解説したいと思います。 脱気器とは 脱気器はデアレーター(Dearator)とも呼ばれ、給水中に存在する酸素や二酸化炭素などの気体を除去するための装置です。 薬品を添加して脱気を行う機器も脱気器と呼びますが、大型の場合は蒸気で加熱することで脱気を行う場合が多いです。脱気を行わずにボイラーに給水を行うと、水中の溶存酸素によりボイラー本体や配管の腐食が進み、機器の寿命を著しく縮めてしまいま ...
電気設備の選定をしないといけない時や、現場設備の点検などの際「VAとWってどっちも同じ単位じゃないの?」と思われた方も少なくないはず。 今回は、VAとWの違いについて解説したいと思います。 VA(ボルトアンペア)とは VAとは、交流回路において皮相電力Sのことを表す単位です。表記の通り、電圧(V)と電流(A)の積を表しています。 電源から供給される電圧と電流を掛け合わせることで計算できます。英語ではapparent power、つまり見かけの電力を意味します。 W(ワット)とは Wとは、交流回路において有 ...
電気の省エネについて考えた時によく出てくる力率改善。ポンプなどの誘導電動機によって発生する遅れ力率を改善することで電気料金を安く抑えることが出来ます。 今回はコスト削減のテーマで出てくる進相コンデンサとは何か?また、力率改善について解説したいと思います。 進相コンデンサとは? まずコンデンサの説明からしたいと思います。 コンデンサとはキャパシタとも呼ばれる、電気を蓄える特徴を持つ電子機器のことで、絶縁体を挟んだ2枚の電気伝導体から構成されます。 電荷を蓄える効果があるのですが、この際に交流電気の位相を90 ...
計測機器の原理について知ることは、生産・運転状況の正しい理解や、トラブル時の対応に生かされると思います。 今回は温度計の一種、光高温計の原理やメリット、デメリットについて解説します。光高温計は放射温度計に分類されますが、高温の被測定物にしか使われない特殊な温度計になります。 光高温計とは 光高温計とは、熱放射を測定することで温度に換算する放射温度計の一種です。 英語ではOptical pyrometerと呼ばれています。赤外線を利用するタイプの放射温度計(体温計としての利用で話題となり、品薄になりましたね ...
温度の計測機器について、今回は水晶温度計をとりあげます。 水晶と聞くと宝石の一種というイメージですが一体どのような仕組みで温度を測定するのでしょうか? 水晶温度計の原理やメリット、デメリットについて解説したいと思います。 水晶温度計とは 水晶温度計とは、水晶振動子や水晶発振子と呼ばれる部品を使用した温度計です。クオーツ温度計とも呼ばれます。 測温センサの組み込まれたプローブと、周波数を測定し温度に変換する計測器によって構成されます。 水晶温度計の原理 原理を説明するために、段階を追って解説をしていきます。 ...
配管設計の際に、接続はどれを選べばいいのか迷うことはないでしょうか? 実は、配管接続をどの方式で行うかによって施工しやすさ、コスト、メンテナンス性に大きく影響が出てきてしまいます。 今回は、それぞれの違いが分からないという方向けに、ねじ込み・フランジ・溶接の用途や使い分けについて解説したいと思います。 ねじ込み接続とは ねじ込み接続は配管末端におねじ、もしくはめねじの切り込みのあるものを使用し、片方を回して接続する方式です。 めねじ側はチーズやエルボという配管継手が使われることが多く、配管を直線方向につな ...
電験三種は合格率が10%台の大変難しい資格です。また、範囲が非常に広いので普段の業務で電気を扱わない方にとってはイメージがしにくく、独学では合格が厳しいという方も多いのではないでしょうか。 効率よく学習を進めるための一つの選択肢として通信講座がありますが、参考書に比べると価格が高いので、教材選びは慎重に行う必要があります。 この記事では、電験三種の通信講座の一つSATの「第三種電気主任技術者講座」を実際に利用して電験三種に合格した私がどこよりも詳しく徹底レビューをしたいと思います。 電験三種を少しでも効率 ...
都市の景観をよくするために、電柱をなくす無電柱化を行うなんてことを聞いたことはないでしょうか? 今回は、電線を地中に通して送電を行う地中送電についてメリットやデメリット、方式などを解説していきたいと思います。 ※ こちらの記事は動画でも解説しています。 地中送電とは? 地中送電とは都市部や市街地で電線を地中に通し、送電を行うことです。送電とは別に配電という言葉を聞くこともあるかと思いますが、この2つは明確に使い分けがされています。 送電:発電所~変電所、変電所~変電所の線路 配電:変電所~需要家(各家庭等 ...
電動弁を選定・購入する際、「リレー有・無」の項目があるのをご覧になったことはないでしょうか。 制御盤の中では見たことあるけど、という方も多いかと思います。今回は、電動弁になぜリレーを使うのかについて解説します。 リレーとは リレーとは、電気信号を他の電気信号につなげる役割を持つ装置のことで、継電器とも呼ばれています。 手元のスイッチと装置との配線の間にリレーを入れることで、安全対策、そして配線のコストダウンを行うことができます。 リレーには、有接点と無接点の2種類があります。 有接点リレーは、メカニカルリ ...
以前の記事で、真空ポンプの種類について解説しましたが、「どうやったら真空が生み出されるのか」という原理的な面での解説が足りていなかったように思います。 今回は、真空ポンプの種類別に、真空状態を作り出す原理を詳しく解説していきたいと思います。 真空のはじまり 真空ポンプ、ではありませんが、真空の作り方として最も初期の活用例をご紹介します。 産業分野で最も初期の蒸気機関として知られる、ニューコメン機関をご存知でしょうか? トーマス・ニューコメンは産業革命の中心的存在であった、ジェームス・ワットよりも前に蒸気機 ...
配管の設計を行う際、配管膨張について検討するかと思います。 フレキシブルチューブと伸縮継手って似た用途だけどどう使い分けるの?という疑問をお持ちの方も多いと思いますので、今回は伸縮継手とフレキシブルチューブの使い分けについて解説してきたいと思います。 フレキシブルチューブとは フレキシブルチューブとは、その名の通り柔軟性のある配管のことで、各種のステンレスで製作されているものが多いです。 配管部分はベローズ(蛇腹)構造になっており、配管誤差の調整、振動の吸収に用いられる他、製品によっては直角に曲げたりU字 ...
数多くあるポンプの型式ですが、液体の粘度によって向き不向きがあることはご存知ですか? 今回は、高粘度の液体を輸送するためのポンプについて解説します。 粘度とは 粘度とは、流体のねばりの度合いを数値化したもので、µ(ミュー)が記号として用いられます。 単位はPa・s(パスカル秒)が一般的に用いられます。µは、液体の中で板が動くときに、板の移動方向とは逆方向に働く力である剪断応力(物体の断面に発生する力)を測定したときの比例定数です。 粘度に対し、流体の動きにくさを表したものを動粘度と呼びます。配管の圧力損失 ...
電磁気というと、皆さんのお仕事ではどんなところで関わるでしょうか? 一般的には電子機器の記録装置や制御機器への配線に電磁シールドケーブルを使用するときや、職場の安全衛生を検討するときに関わるのではないかと思います。 今回は、それらの基礎である、電界と磁界の違い、そして電磁界についてまとめてみました。 電界とは 電界とは、電気のある空間を指した言葉で、英語ではelectric fieldと言います。 電気をよく通すものに電圧がかかったときや、絶縁体が帯電しているときに、電界が発生します。後述の磁界が変化した ...
プロセスやユーティリティ用の配管部材を選ぶ際、ねじの規格を目にしますよね。 職種によってはあまり気にしてこなかった方もいるかと思いますので、今回は改めて、配管に用いられるテーパねじの2種類の規格について解説します。 Rc(PT)とは Rc(PT)とは、管用(くだよう)テーパねじと呼ばれる日本で使用される製品によく用いられているISO規格です。 テーパ(taper)とは、先細りになる・徐々に減るという意味で、足元に向かって細くなるシルエットのテーパードパンツにも使われている言葉です。テーパねじは、ねじ部が先 ...
今回はどんな現場にも用いられている、配管用レデューサーについてです。 シンプルな構造ですが、選定時の注意点がありますので、詳しく解説します。 ※ こちらの記事は動画でも解説しています。 レデューサーとは レデューサーとは、英語のreduceが由来の言葉で、異なる呼び径の配管同士を接続するためのものです。産業分野だと、金属配管や塩ビ配管、ダクト用、電線管のレデューサーも見かけるかと思います。 配管用にレデューサーを用いる場合には、機能やスペースなどを考慮して選定する必要があります。詳しく見ていきましょう。 ...
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