【電気】電気加熱とは?7種類の原理、特徴を解説
産業分野において、ものを加熱する工程はほとんど全ての現場にあるのではないでしょうか。 スケールアップを計画するときや、抜本的な時間短縮・省エネルギーを検討する際には、加熱方法から見直すということも少なくないと思います。 今回は、電気加熱について全体的に理解したい人向けに記事をまとめました。 電気加熱とは 電気加熱は熱エネルギーを伝えるのに、電気を使う、酸素を使わない加熱手法と定義できます。 供給された電気エネルギーを、次の項目で紹介するいくつかの方法で熱に変換します。一般的な火力発電所の発電効率は40%程 ...
【電気】超電導って何?原理や使い道は?
科学技術系のニュースで「超伝導」という言葉を見かけることがありますよね。また産業分野では電力分野で「超電導技術」の紹介がされることがあります。 最近では、リニアモーターカーに利用される技術ということで注目を集めています。 今回は超電導の現象と用途について解説したいと思います。 超電導現象とは 特定の金属を冷却していくと、ある温度から急激に電気抵抗が下がりゼロになる現象が知られています。 超電導現象とは、次の2つの性質から説明されます。 電気抵抗がゼロになる マイスナー効果 それぞれについて詳しく解説します ...
【電気】ゼーベック効果って何?その原理は?
電気と温度には切っても切れない関係があります。 今回はそのうちの一つ、センサーなどにも利用されているゼーベック効果とは何かについて解説していきます。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 ゼーベック効果とは? ゼーベック効果とは、2種類の金属の両末端をつなぎ合わせて各末端の温度に差をつけると起電力が生じ、回路中に電流が流れるという現象のことです。 なぜそんなことが起きるのか、詳しく見ていきましょう。 ゼーベック効果の原理 次の2点を理解していただけると非常にわか ...
【燃料】凝固点・流動点の違いについて詳しく解説してみた
軽油や重油など燃料を扱う際に、流動点という言葉を聞いたことはありませんか? 今回は凝固点、流動点の定義や使い分けについて説明します。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 凝固点とは 凝固点とは、字の通り液体が固体化するときの温度を指します。 基本的には、固体が液体になる時の温度である融点と一致しています。水であれば約0℃ですね。凝固点は、液体の物質固有の特性に影響される化学的な数値ですが、食用油などの混合物に対しても凝固点が示されています。 例えば、オリーブオ ...
【蒸気】スチームアキュムレータは何のために使われているの?
現場のボイラー室にアキュムレータと呼ばれる大きな装置を見たことはありませんか? 初めて見る方は、何のためにあるのだろうと思った方も少なくないはず。また省エネ検討時には名前が上がる装置でもあります。今回はスチームアキュムレータについて解説します。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 スチームアキュムレータとは まず語源から確認してみます。英語のaccumulateには「蓄積する」という意味があり、蒸気を蓄積するものだということがわかります。 スチームアキュムレー ...
【電気】ブリッジ回路ってどんな効果があるの?わかりやすく解説してみた
ブリッジ回路と言うと変わった形の配線構造の絵をよく見ますが、どんな意味があるのでしょうか。 今回はブリッジ回路の概要と、どんな用途に活用されているのかについて解説したいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 ブリッジ回路とは 回路を構成する配線が2つの並列回路に分かれて、その2つの線間を別の配線でつないだ時、この橋渡しされた構造をブリッジ回路と呼びます。 イラストの中のGは検流計です。検流計は電流の大きさと、電流の向きを検出できることができます。 こ ...
【伝熱工学】放射伝熱の仕組みを詳しく解説!産業分野でどう役立っている?
ストーブにあたった時に温かさを感じる理由はご存知ですか?放射伝熱、熱放射、輻射電熱などと呼ばれます。 今回は放射伝熱とは何かについて詳しく解説していきます。 放射伝熱とは 放射伝熱は、電磁波を介して熱が伝わる現象です。英語ではthermal radiation、radiant heat transferなどと呼ばれています。電磁波のうち、赤外線、可視光、紫外線などが含まれます。 高温の物体から発せられる電磁波が空間を伝わり、低温の物体に吸収されることで熱が伝わります。 電磁波とは、電場と磁場の変化を伝える ...
【電気】誘電率と透磁率の違いを詳しく解説してみた
勉強していると、電気と磁力は互いに影響を及ぼし合うことを学ぶことになりますが、そんな時に出てくるのが「誘電率」と「透磁率」だと思います。 今回は間違えやすいこの2つについて、できるだけ簡単に説明します。 間違えやすいのは漢字が似ているというだけでなく、電磁場の解説は電気と磁界の話が同時に出てくる、関係式が似ているということが考えられます。しっかり区別して覚えましょう。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 誘電率とは 電気を誘導する割合、絶縁体が蓄える電気量の大 ...
【電池】岩石が電池に?岩石を使って蓄電をする技術とは
日経新聞にこんな記事が出ていました。 ⇒ 岩石蓄電22年にも商用化 シーメンス、10社以上と覚書 コスト、リチウムイオン電池の10分の1(外部リンク) え?岩石を使って電気を取り出す?と不思議に思う方も多いと思います。今回は、岩石を使って蓄電をするとはどういう事かについて解説したいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 岩石蓄電とは? 岩石蓄電の原理はとてもシンプルです。 余った電気で岩石を温めて、足りない時に水に熱を奪わせて蒸気にした後、タービンを ...
【電気】インダクタンスとインピーダンスの違いって?
同分野内の似ている言葉って覚えにくいですよね。今回は電気分野におけるインダクタンスとインピーダンスについてです。 全く異なることを表す値ですので、これを機に覚えてみてはいかがでしょうか。 動画でも解説していますので、こちらもあわせてどうぞ。 インダクタンスとは インダクタンスとは、導体に電気を流した時の磁場の起こりやすさを示した値です。 ループ状の電線(コイル)に電気を流すと、磁場が発生し、この磁場が起電力を発生させます。電流の値が変化すると磁場が変化し、電磁誘導が起こります。この現象のことを自己誘導と呼 ...
【電気】安全増防爆と耐圧防爆の違いは?
機器を新たに導入する際、「防爆の種類って何を選べばいいのだろう」となった経験のある方は多いはず。 工場内の他の機器を見て、同じ規格を選ぶというのも手ですが、今回は防爆規格についてわかりやすく解説したいと思います。 現場で使用されるポンプなどの電動機や計装機器に特に関係する、「安全増防爆」と「耐圧防爆」の違いについて解説します。 こちらは動画でも解説しているので、動画がいいという方はこちらもどうぞ。 防爆とは 防爆電気機器は工業分野の様々な現場で使われています。 こうした現場では可燃性ガスが存在する中で、 ...
【熱力学】ヒートバランスって何?計算方法や使い方は?
タンクや釜など、ひとつの容器に複数の物体を入れるときにその容器の中が一体何℃になるのかを計算しないといけないことってありますよね? これを計算する方法の1つにヒートバランスという考え方があります。 今回は、ヒートバランスとは何か?どんな使い方をするのかについて解説していきたいと思います ヒートバランスとは? ヒートバランスとは、エネルギー保存則と質量保存則を合わせたもので、1つの系に流入してくる物体の質量の合計と熱量の合計は出ていく物体のそれらと釣り合うという考え方です。 例えば、タンクに80℃の水が10 ...
【流体工学】「絞り膨張」って何?なぜ絞りだけで膨張するの?
気体がオリフィスや減圧弁を通過するときは、絞り膨張という現象が発生します。 この記事では、気体特有の現象である「絞り膨張」について解説したいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 1. 絞り膨張とは? 絞り膨張とは、気体がオリフィス(穴の開いた金属板や筒)や開度を絞ったバルブなどの断面積の小さい流路を通る際に、一時的に圧力が下がる現象のことを言います。 絞り膨張は次のような流れで発生します。 絞りにより通過する際の流速が増す。 流速が増すことでベルヌ ...
【流体工学】ニュートン流体と非ニュートン流体は何が違う?
流体は大きく分けてニュートン流体と非ニュートン流体に分けることができます。 では、ニュートン流体と非ニュートン流体の違いは何でしょうか? 1. ニュートン流体と非ニュートン流体の違い ニュートン流体と非ニュートン流体の違いは、次の式が成り立つか成り立たないかです。 $$τ=μ\frac{dv}{dy}[Pa]$$ τ:せん断応力 μ:粘性係数 v:速度 y:管壁からの距離 成り立つ流体をニュートン流体、成り立たないものを非ニュートン流体と言います。非ニュートン流体の代表例としては不規則ならせん構造を描く高 ...
【伝熱工学】夏場の鉄棒が冷たいのはなぜ?
夏場、公園で鉄棒に触れたときに冷たく感じることを不思議に感じたことってありませんか? 公園の木に触ると冷たく感じないのに、鉄棒に触ると冷たく感じます。同じ気温のはずなのに感じ方に差が出るのはなぜでしょうか? 今回は夏場に公園の鉄棒を触ると冷たく感じる理由について解説してみたいと思います。 鉄棒が木よりも冷たく感じる理由は次の3つです。 鉄は木材よりも熱伝導率が高い 熱伝導率が高いと総括伝熱係数が大きくなる 総括伝熱係数が高いと熱の移動が大きくなる 専門用語が出てきたので一つずつ見てみたいと思 ...
【流体工学】流体の粘度を表す単位と比較について
流体のねばり度合いを表す指標に粘度があります。工場などで新たな設備を導入するときには、そこで扱う流体の粘度が記されている場合が多いです。 粘度が高ければ、粘り気が大きくなるというのは感覚的に分かりますが、記載されている粘度が一体どれぐらいなのか感覚的に分かりにくいことはありませんか? 今回は、粘度を表す単位や数値ごとにどれぐらいの粘り気なのか感覚的に分かるように一般的な製品と比較してみたいと思います。 1. 粘度の単位 粘度は物質のねばり度合いを表す指標でμ(ミュー)という記号で表されます。粘度が高ければ ...
【熱力学】キロ、パスカル、圧力の単位が人によって変わる理由
水や蒸気、ガスなどの流体を扱うときに 「その圧力は何キロ?」と言われることもあれば 「その圧力は何メガパスカル?」と言われることもあります。 このように、人によって圧力の単位が微妙に違うので混乱してしまうことがしばしばあります。例えば、「何キロ?」と聞かれているものが「kPa」なのか「kgf/cm2」なのかわからないというところが厄介です。 なぜ人によって圧力の単位の認識が違うのでしょうか?それはSI単位の導入時期と関係がありました。 圧力の単位 圧力を表す単位は大体次のようなものが利用されます。 Pa ...
【熱力学】水の流量を測定する方法
工場やプラントで新しい設備の導入を検討するときや省エネの検討をするときに、今の設備がどれぐらいのユーティリティを使っているのか知りたいことってありませんか? 既に計測機器が設置されていてきっちり管理されている場合は問題ありませんが、ほとんどの場合はそれぞれの設備で流量計測が実施されていることはありません。 今回は、流量計の設置されていない設備で水の流量を計算する方法について書いてみたいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 水の流量を測定する方法 水 ...
【燃料】水素を使えば地球温暖化が防げる?水素の製造方法や今後の可能性は?
トヨタ自動車が次世代自動車として他メーカーに先駆けて水素を燃料とする自動車「MIRAI」を発売しました。たまに街を走っているのを見るとつい凝視してしまいます。 「MIRAI」は水素を使った燃料電池でモーターを回して走る電気自動車でエンジンなどの内燃機関を利用するわけではありません。 水素は、燃焼後に水しか出さない燃料として地球温暖化防止策の一つとして重要視されています。 今回は、化石燃料の代わりに水素を利用すれば本当に地球温暖化は防止できるのか?そもそも水素はどうやって作られるのかについてエネルギーの観点 ...
【燃料】発熱量の測定方法は?
単位質量あたりの化石燃料がどの程度の熱量を持つかという指標に発熱量があります。 そして燃料の発熱量を測定するのに気体燃料、液体燃料、固体燃料それぞれで決められた方法があります。今回は燃料ごとの発熱量の測定方法について解説してみたいと思います。 1. 気体燃料 気体燃料とは主に次のものがあります。 LNG(液化天然ガス) LPG(液化石油ガス) コークス炉ガス他 気体燃料の発熱量を測定するためには次の2つの方法が用いられます。 1-1. ユーカンス式流水形ガス熱量計 ユーカンス式流水形ガス熱量計は、ガスを燃 ...
【燃料】石炭の燃料比、性質とは?
石炭には質を表す指標として燃料比があります。 今回は石炭の質を表す石炭化度やその他の性質について書いてみたいと思います。 1. 石炭の燃料比とは? 石炭の燃料比は石炭化度とも言われ、固定炭素と揮発分との割合を示す次の式で表されます。 $$燃料比=\frac{固定炭素}{揮発分}$$ 石炭化度は元となる植物が石炭に変化する過程を表したもので、石炭化度が進むと固定炭素が増加し、揮発分が減少します。これにより燃料比が増加していきます。石炭化度の大きいものから石炭の種類を表すと次のようになります。 無煙炭(むえん ...
【燃料】石炭とコークスの違いは?
石炭とコークス、イメージはどちらも同じように思いますがいったい何が違うのでしょうか? 今回は石炭とコークスの違いについて書いてみたいと思います。 ※ こちらの記事は動画でも解説しています。 チャンネル登録はこちら 石炭とコークスの違い 石炭とコークスの違いは、自然から掘り出された原料が石炭、それを加工してより発熱量を増加させたものがコークスです。燃料のほかに製鉄業での鉄鉱石の還元剤などに利用されます。 コークスは灰分を含んだ多孔質の炭素質で,骸炭ともいいます。 掘り出されてすぐの石炭は、サイズ、水分量、発 ...
【燃料】オクタン価とセタン価の違いは?
燃料の優劣を表す代表的な指標にオクタン価とセタン価があります。今回はオクタン価とセタン価の違いについて書いてみたいと思います。 エネルギー管理士試験でも良く問われるのでしっかり理解しておきましょう。 ※ こちらの記事は動画でも解説しています。 1. オクタン価 オクタン価は自動車の燃料などに利用されるガソリンの質を表す指標です。オクタン価が高いほどエンジン内で自己着火が起こりにくくノッキングを起こしにくく良質なガソリンとされています。 石油精製プラントでは通常の蒸留によって取り出されるガソリンに、様々な添 ...
【熱機関】コージェネレーションとコンバインドサイクルの違いは?
大規模な工場では、自家発電設備を保有し、燃料から電気と蒸気を取り出すコージェネレーションシステムが構築されています。 今回は、電気と蒸気を取り出すコージェネレーションとコンバインドサイクルの違いについて書いてみたいと思います。 コージェネレーションとは? コージェネレーションはガスタービンやガスエンジンを利用して発電した後、大量に出る排熱で蒸気や温水を作り出すシステムです。 ガスタービンを用いた場合は排熱ボイラーと組み合わせて蒸気を発生させ、ガスエンジンを用いた場合は熱交換器で温水を作り出すのが一般的です ...
【熱力学】ワットとカロリーの変換方法
熱をあつかうときに厄介なのが、エネルギーを表す単位です。カロリー、ワット、ジュール、キロワット、キロカロリー・・・。これらの単位をしっかり理解できれば、エネルギーの考え方を理解できたも同然です。 今回は、ワットとカロリーの変換方法について解説したいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 1. ワット まずはおさらいでワットについて考えてみましょう。 ワットは熱機関の祖であるジェームスワットにちなんでつけられた単位で、1秒当たりに1ジュール生じさせる仕 ...
【熱機関】スターリングサイクルとは?わかりやすく徹底解説します
スターリングサイクルはスターリングエンジンに利用される熱サイクルでシリンダ内に封入されたガスを加熱・冷却することでピストン運動を行うサイクルです。スターリングサイクルの基本はカルノーサイクルと同様になります。 この記事では、スターリングサイクルとはどのようなサイクルなのか、カルノーサイクルとは何が違うのかについて解説していきたいと思います。 スターリングサイクルとは? スターリングエンジンは2つの等温過程と2つの等容過程からなるサイクルです。スコットランドのロバート・スターリングによって1816年に発明さ ...
【伝熱工学】熱容量って何?大きいものと小さいものの違いは?
ある物体の温度を1℃(K)上げるのに必要なエネルギーを熱容量といいます。単位はkJ/Kで表されます。 今回は、熱容量とは何か、どのようなときに利用されるかについて解説してみたいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 1. 熱容量とは? 熱容量は物体の質量m[kg]に比熱c[J/kgK]を掛けることで計算することが出来ます。熱容量が大きければ温度が上がりにくく、熱容量が小さければ上がりやすいということになります。 $$C=mc$$ C:熱容量 J/K ...
【熱力学】エンタルピーって何?内部エネルギー、エントロピーとの違いは?
エンタルピーと聞くと何を思い浮かべますか? 物体の持つエネルギー量・・・ エントロピーとは全く別の概念・・・ 難しい数式で表されて良くわからないもの・・・ そんなイメージを持っている人も多いのではないかと思います。 確かに熱力学の教科書を読むと最初の方に何やらよくわからない数式とエンタルピーが一緒に出てきて頭が混乱してきます。でも、実際にはエンタルピーは工業系の実務で使えるとても便利な考え方なのです。 今回はそんなエンタルピーがどんな場面で利用されているのかについて解説します。 エンタルピーとは? エンタ ...
【熱力学】状態量とは何かについてわかりやすく解説してみた
熱力学を勉強していると「状態量」という言葉が出てきます。例えば圧力と温度は状態量ですが、熱量は状態量ではありません。圧力と体積は状態量ですが仕事は状態量ではありません。エンタルピーやエントロピーは状態量です。 では、状態量とそうではないものの違いは何でしょうか?今回は熱力学の状態量とは何かについて例を交えて解説してみたいと思います。 1. 状態量とそうでないものの違い そもそも状態量とは何でしょうか? Wikipediaによると次のようなことが書かれています。 状態量(じょうたいりょう、英語: state ...
【熱機関】ブレイトンサイクルとは?わかりやすく徹底解説します
ブレイトンサイクルは、ガスタービンやジェットエンジンで利用される熱サイクルです。燃料を燃やして発生するガスを利用して推進力や回転力を得ることが出来ます。 この記事では、ブレイトンサイクルを利用してガスタービンやジェットエンジンがどのように動力を得るのか、また、効率良くエネルギーを取り出すためにはどうすればいいのかについて解説していきたいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 ブレイトンサイクルとは? ブレイトンサイクルはアメリカのジョージ・ブレイトン ...
【熱機関】ディーゼルサイクルとは?わかりやすく徹底解説します
ディーゼルサイクルはディーゼルエンジンなどに利用される熱サイクルでオットーサイクルと同様に燃料の熱エネルギーをピストン運動に変換します。 この記事ではディーゼルサイクルとはどのようなサイクルなのか、オットーサイクルとは何が違うのか、また効率を高めるためには何がポイントなのかについて解説していきたいと思います。 ディーゼルサイクルとは? ディーゼルサイクルはドイツのルドルフ・クリスチアン・カール・ディーゼルにちなんで名前が付けられた熱サイクルで低速ディーゼル機関の理論サイクルです。オットーサイクルの定容加熱 ...
【熱機関】オットーサイクルとは?徹底的にわかりやすく解説します
オットーサイクルは、ガソリンエンジンやガスエンジンなどで利用される火花点火の熱サイクルで、ガソリンなどの燃料が持つ熱エネルギーをピストン運動に変換します。 この記事ではオットーサイクルとは何か、基本的な考え方や効率の計算方法について解説します。 オットーサイクルとは? オットーサイクルは、内燃機関の一種で、ガソリンエンジンの基本的な動作原理を説明する理論的なサイクルです。 1876年にドイツの技術者ニコラウス・オットーによって発明されました。オットーサイクルは、吸気、圧縮、燃焼(爆発)、排気の4つの工程か ...
【燃料】LNG、LPG、都市ガスの違いとは?
近頃では、企業も環境問題を意識するようになりボイラーなどの燃料をガス化することが増えています。燃料をガス化すれば、液体や固体燃料に比べて低い空気比で燃焼させることができ、さらに硫黄分をほとんど含まないので、酸性雨などの環境問題対策になります。 また、エコノマイザなどを利用する際も排ガスの酸露点を気にすることなく限界まで排ガスの熱を取れるので省エネルギーにもなります。実際に燃料が転換される際には、ガス燃料のメリットと燃料そのもののコスト上昇のデメリットを考えながら供給されます。 今回は、ガス燃料の中でよく利 ...
【熱力学】水は何度で沸騰する?100℃で沸騰しない水もある?
水は何度で沸騰する? この質問をされるとあなたはなんと答えるでしょうか? 小学生の時に習ったことを思い出すと大気圧下で水は100℃で沸騰します。 しかし、実際には水の圧力によって沸騰する温度は変わります。圧力を低下させれば100℃以下でも沸騰します。逆に、圧力を上げてやれば100℃以上でも沸騰しません。 そもそも沸騰とはどういう現象のことを言うのでしょうか?今回は水の沸騰する温度について考えてみたいと思います。 1. 水の沸騰とは? 沸騰とは、水が気体の水蒸気に変化することをいいます。そして沸騰が始まる温 ...
【熱力学】冷却水量を簡単に計算する方法は?
工場やプラントでは排水処理の関係で、高温排水にわざわざ水を投入して冷却しないといけないことってありますよね。 今回は、高温水に水を混ぜて冷やすときに必要な冷却水量の計算方法について解説したいと思います。 冷却水量の計算方法 例えば80℃の水1000kgを40℃に冷やすために20℃の水がどの程度必要か考えてみましょう。20℃の水の量をXとすると40℃に冷却されるときには次のような式が成り立ちます。 $$\frac{80℃×1000kg+20℃×xkg}{1000kg+xkg}=40℃$$ この式を解けばXを ...
【熱力学】熱量単価、エネルギー単価の計算方法
加熱が必要な機器を選ぶ際には、まず燃料を決めなければいけません。例えば、給湯器1つとっても灯油が良いのかガスが良いのか電気が良いのか迷いますよね。 そんな時に便利な考え方が熱量単価やエネルギー単価と呼ばれる指標です。今回の記事では、熱量単価の計算方法やその活用について書いていきたいと思います。 1. 熱量単価とは? 熱量単価とは、単位エネルギー当たりの値段の事です。単位でいうとJ/円やkJ/円、MJ/円などが用いられます。 燃料ごとの熱量単価が計算できれば、どの燃料を利用するのが一番安上がりなのかを数値で ...
【蒸気】めちゃくちゃ単純!過熱蒸気の過熱度とは?
蒸気には飽和蒸気よりも温度の高い過熱蒸気というものがあります。過熱蒸気は飽和蒸気と違い圧力によって温度が決まっているわけではありません。 大規模なプラントなどでは過熱蒸気の状態で輸送されることが多いです。今回は過熱蒸気の温度を表す過熱度について書いてみたいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 1. 過熱度とは? 過熱度とは、過熱蒸気が飽和温度より何℃高いかを表す指標です。例えば飽和温度が150℃の過熱蒸気の温度が170℃だとすれば過熱度は20℃にな ...
【熱機関】外燃機関と内燃機関の違いとは?
燃料を燃焼させて熱を取り出し、動力として利用するものを熱機関といいます。熱機関には様々な種類がありますが、大きく外燃機関と内燃機関の二つに分かれます。 この記事では外燃機関と内燃機関の違いやそれぞれの特徴について解説していきたいと思います。 外燃機関とは 外燃機関は作動流体そのものではなく、外部で熱を得た気体によって動力を得る機関です。 例えば、蒸気発電機などが代表的です。 蒸気を使って発電を行う場合は、ボイラーで燃料を燃焼させて水を高圧の蒸気に変換します。その蒸気をタービンに供給して翼を回転させることに ...
【熱機関】カルノーサイクルとは?わかりやすく徹底解説します
カルノーサイクルは温度の異なる2つの熱源で動作する熱サイクルの1種です。熱機関について学ぶ時に最初に出てくる熱サイクルで、理論上の最大効率を示します。 今回は、カルノーサイクルとは何か?について詳しく解説してみたいと思います。 カルノーサイクルとは? カルノーサイクルは、1824年にフランスの物理学者ニコラ・レオナール・サディカルノーが考案した理想的な熱サイクルです。18世紀半ばから19世紀にかけて起こった産業革命で、いかに効率よく燃料から動力を生み出すかという課題が出てきたことから考案された理論サイクル ...
【燃料】引火点、発火点、流動点の違いは?
燃料は、その温度に応じて引火点、発火点、流動点が決められています。 この温度が高いか低いかによって保存方法や使用方法が変わってきます。 普段の生活で触れることが多いガソリンや灯油などもこれらの違いによって使い分けがされています。 今回は、燃料の引火点、発火点、流動点の違いについて解説してみたいと思います。 1. 引火点、発火点、流動点の違いは? 引火点、発火点、流動点は燃料の性質を表す指標です。 これら3つの違いはなんでしょうか? まずはそれぞれ言葉の定義から見てみたいと思います。 1-1. 引火点 引火 ...
【流体工学】層流と乱流の違い、見分けるためのレイノルズ数とは?
配管の圧力損失を計算する際には、まず、流体が層流なのか乱流なのかを見分ける必要があります。それを見分けるために指標となるのがレイノルズ数という無次元の値です。 今回は、層流・乱流とは何か、レイノルズ数はどんな式で求めることができるのかについて解説していきたいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 層流・乱流とは? まず、物体の流れには層流と乱流と呼ばれるものがあります。この2つの違いについてです。 層流 層流は、流体が規則正しく運動している流れのこと ...
【伝熱工学】熱伝導率と熱伝達率の違いは!?2つを合わせたU値の求め方
熱伝導率と熱伝達率の違いは何でしょう? どちらも熱の伝わりやすさを表しているので勘違いすることもありますが、この2つは似ているようで使い方が違います。 今回の記事では、熱伝導率と熱伝達率の違いについて解説してみたいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 熱伝導率と熱伝達率の違い 熱伝導率と熱伝達率の違いは、同じ物質内で熱が伝わるか、別の物質同士で熱が伝わるかの違いです。 熱伝導率、熱伝達率のそれぞれの言葉の意味を見てみます。 熱伝導率 熱伝導率は、1 ...