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エコおじい
プラント業界一筋のエンジニアです。「工業技術をどこよりも分かりやすく解説する」をテーマに2017年からブログ、Youtubeで情報発信をしています。保有資格はエネルギー管理士と電験三種です。
蒸気の流れを制御するときに、代表的なもので圧力制御と流量制御があります。どちらも制御形式が似ているので良く混同されてしまいます。 圧力制御と流量制御は何が違うのでしょうか?今回は、圧力制御と流量、制御の違いやその使い分けについて書いてみたいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 1. 圧力制御と流量制御の違い 圧力制御と流量制御は言葉の通り、制御弁二次側の圧力を一定にする制御か制御弁を流れる流量を一定にする制御かの違いです。 大半は圧力制御が利用され ...
水は何度で沸騰する? この質問をされるとあなたはなんと答えるでしょうか? 小学生の時に習ったことを思い出すと大気圧下で水は100℃で沸騰します。 しかし、実際には水の圧力によって沸騰する温度は変わります。圧力を低下させれば100℃以下でも沸騰します。逆に、圧力を上げてやれば100℃以上でも沸騰しません。 そもそも沸騰とはどういう現象のことを言うのでしょうか?今回は水の沸騰する温度について考えてみたいと思います。 1. 水の沸騰とは? 沸騰とは、水が気体の水蒸気に変化することをいいます。そして沸騰が始まる温 ...
比例制御弁やオンオフ弁を選ぶとき、電動式と空動式のどちらがいいのかわからないことってありますよね? そもそも電気や空気の力でどうやってバルブの開度を調整しているのでしょうか?今回の記事では、制御弁やオンオフ弁の作動原理や使い分けについて書いてみたいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 1. 制御弁とは 比例制御弁は、プロセスやユーティリティの流量や温度、圧力を制御するときに利用されます。オンオフ弁で制御するのに比べ、高精度な制御を行うことが出来ます ...
熱交換器を設置して工場から出る排熱を有効利用することは省エネルギー対策として有効です。 では、熱交換器を設置すれば最大どこまで熱を回収できるのでしょうか? 今回は熱交換器の最大交換熱量をテーマに解説したいと思います。 1. 熱交換器の最大交換熱量 熱交換器を利用して、どこまで熱を回収できるかは向流か並流かによって変わります。 1-1. 向流の場合 最も多い向流の場合、熱交換器で交換できる最大熱量は対数平均温度差が取れなくなるポイントまでということになります。 例えば、熱交換器を流れる2つの流体の入口温度が ...
工場やプラントでは排水処理の関係で、高温排水にわざわざ水を投入して冷却しないといけないことってありますよね。 今回は、高温水に水を混ぜて冷やすときに必要な冷却水量の計算方法について解説したいと思います。 冷却水量の計算方法 例えば80℃の水1000kgを40℃に冷やすために20℃の水がどの程度必要か考えてみましょう。20℃の水の量をXとすると40℃に冷却されるときには次のような式が成り立ちます。 $$\frac{80℃×1000kg+20℃×xkg}{1000kg+xkg}=40℃$$ この式を解けばXを ...
ポンプを選定するとき、ポンプが加圧する水の流量と圧力の関係が重要になります。選定したポンプが狙った圧力で流量を確保できるのかを確認する必要があります。 1. ポンプの流量と圧力の関係 ポンプの流量と圧力の関係は次のようなグラフで表すことができます。 流量が増えればポンプの出口圧力は低下し、流量が減ればポンプの出口圧力は上昇します。これは、ベルヌーイの式で説明することができます。 ベルヌーイの定理では次の式が成り立ちます。 $$\frac{v^2}{2}+\frac{p}{ρ}+gz=Constant$$ ...
配管を設計するときには、中を流れる流体の流速が非常に重要です。流速が速くなりすぎると摩擦によってエネルギーが失われ、圧力損失が大きくなったり、機器の寿命を縮めてしまいます。 圧力損失が大きいと、使用先で欲しい流量を確保できず、機器の能力が低下してしまいます。 今回は配管流速の基本的な考え方について解説したいと思います。実際に実務で配管を設計される方は、計算ソフトなどを利用すると思いますが、ソフトの計算ロジックを知っておくという意味でも重要です。 1. 配管流速の計算方法 配管流速は次の3つのステップで計算 ...
プラントや工場などで廃棄されている熱を熱交換器で回収したいときその熱交換器がどの程度のサイズになるのか大まかな値を計算したいという事があります。 今回は、そんな時に使える熱交換器の伝熱面積計算方法について解説したいと思います。 1. 熱交換器の伝熱面積計算方法 熱交換器とは、温度の低い物質と温度の高い物体を接触させずに熱のやり取りをさせる機器です。 90℃ 1000kg/hの水を20℃ 2000kg/hで50℃まで冷やすためには何m2の熱交換器が必要になるか計算してみたいと思います。 Step.1 冷却に ...
飽和温度近くの流体をポンプで圧送する場合、ポンプでキャビテーションが発生しないように考慮する必要があります。 その時、検討しなければいけない項目にポンプの有効流入水頭(NPSHa)というものがあります。今回は、ポンプの流入水頭はどのようにして計算するのか解説してみたいと思います。 1. 流入水頭とは? 水頭とは、水の持つ圧力などのエネルギーを水の高さ(m)で表したものです。例えば大気圧での水頭は0.1MPaなので約10mになります。 ポンプを選定する際には必要流入水頭(NPSHr)と有効流入水頭(NPSH ...
プラントで良く利用される制御の1つにスプリット制御というものがあります。 今回はスプリット制御について解説していきたいと思います。 1. スプリット制御とは? スプリット制御とは1つの制御信号で2つ以上の異なる要素を制御することを言います。具体的には、調節計1つで2つ以上のコントロールバルブ(制御弁)の動きを制御する方法になります。スプリット制御を行うための調節器のことをスプリット演算器などと呼びます。 スプリット制御の内容を表すために、下のような図が用いられます。 例えばこのような図の場合は、1つ目のコ ...
プラントや工場では、発生する熱エネルギーを無駄にしないために様々な工夫がされています。 その1つに熱交換器を設置して熱回収をするなどがありますが、熱交換器などの計算を行う際には対数平均温度差が必要です。今回は、対数平均温度差とは何かについて解説してみたいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 対数平均温度差LMTDとは? 対数平均温度差(LMTD)とは、全体の伝熱量が等しくなるような計算上の温度差のことです。LMTDはLogarithmic Mean ...
ポンプの性能曲線にはポンプ効率が示されています。今回はポンプ効率の考え方と計算方法について記載していきたいと思います。 1. ポンプ効率とは? ポンプは水などの流体に圧力を加えて遠くまで輸送するために使用します。ポンプの効率とは、ポンプに供給した動力がどの程度水の圧力エネルギーに変換されたかという指標になります。 ポンプに供給したエネルギーが全て水の圧力エネルギーに変換されることが理想です。しかし、実際にはモーターでのエネルギー損失やポンプ内部での水とインペラとの摩擦損失などがあるためすべてを変換すること ...
ポンプのスペックの1つに回転数があります。インバーター制御ではポンプの回転数を制御することで省エネルギーを行います。今回はポンプの回転数と流量、揚程、軸動力の関係について記載します。 1. ポンプのrpmとは? ポンプのrpmはrevolutions per minuteの略で1分間当たりの回転数を表します。min-1などと記載することもあります。 良く比較されるものでHzがあります。Hzは1秒間の振動数(回転数)を表します。一般的な交流電源の周波数は西日本で60Hz、東日本で50Hzになります。 周波数 ...
加熱が必要な機器を選ぶ際には、まず燃料を決めなければいけません。例えば、給湯器1つとっても灯油が良いのかガスが良いのか電気が良いのか迷いますよね。 そんな時に便利な考え方が熱量単価やエネルギー単価と呼ばれる指標です。今回の記事では、熱量単価の計算方法やその活用について書いていきたいと思います。 1. 熱量単価とは? 熱量単価とは、単位エネルギー当たりの値段の事です。単位でいうとJ/円やkJ/円、MJ/円などが用いられます。 燃料ごとの熱量単価が計算できれば、どの燃料を利用するのが一番安上がりなのかを数値で ...
蒸気には飽和蒸気よりも温度の高い過熱蒸気というものがあります。過熱蒸気は飽和蒸気と違い圧力によって温度が決まっているわけではありません。 大規模なプラントなどでは過熱蒸気の状態で輸送されることが多いです。今回は過熱蒸気の温度を表す過熱度について書いてみたいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 1. 過熱度とは? 過熱度とは、過熱蒸気が飽和温度より何℃高いかを表す指標です。例えば飽和温度が150℃の過熱蒸気の温度が170℃だとすれば過熱度は20℃にな ...
燃料を燃焼させて熱を取り出し、動力として利用するものを熱機関といいます。熱機関には様々な種類がありますが、大きく外燃機関と内燃機関の二つに分かれます。 この記事では外燃機関と内燃機関の違いやそれぞれの特徴について解説していきたいと思います。 外燃機関とは 外燃機関は作動流体そのものではなく、外部で熱を得た気体によって動力を得る機関です。 例えば、蒸気発電機などが代表的です。 蒸気を使って発電を行う場合は、ボイラーで燃料を燃焼させて水を高圧の蒸気に変換します。その蒸気をタービンに供給して翼を回転させることに ...
カルノーサイクルは温度の異なる2つの熱源で動作する熱サイクルの1種です。熱機関について学ぶ時に最初に出てくる熱サイクルで、理論上の最大効率を示します。 今回は、カルノーサイクルとは何か?について詳しく解説してみたいと思います。 カルノーサイクルとは? カルノーサイクルは、1824年にフランスの物理学者ニコラ・レオナール・サディカルノーが考案した理想的な熱サイクルです。18世紀半ばから19世紀にかけて起こった産業革命で、いかに効率よく燃料から動力を生み出すかという課題が出てきたことから考案された理論サイクル ...
燃料は、その温度に応じて引火点、発火点、流動点が決められています。 この温度が高いか低いかによって保存方法や使用方法が変わってきます。 普段の生活で触れることが多いガソリンや灯油などもこれらの違いによって使い分けがされています。 今回は、燃料の引火点、発火点、流動点の違いについて解説してみたいと思います。 1. 引火点、発火点、流動点の違いは? 引火点、発火点、流動点は燃料の性質を表す指標です。 これら3つの違いはなんでしょうか? まずはそれぞれ言葉の定義から見てみたいと思います。 1-1. 引火点 引火 ...
流量、温度、圧力などの調整を行うために、いろいろな自動制御パターンがありますが、その中で最もよく使われているものにPID制御があります。 普段聞きなれない言葉で、どうしても制御の話の中でも理解できない分野なので、苦手意識を持っている方も多いかと思います。 今回は、プラントの自動化に欠かすことのできないPID制御について解説したいと思います。 1. PID制御とは? PID制御は、主に調節計を用いた自動制御を行う際に使用される制御方法です。 PID制御を使えば、水を一定の温度に加熱する、油を一定量流し続ける ...
配管を選ぶときに、外径以外でSch.40とかSch.80という表記を見たことありませんか? 今回は、手前についている「Sch(スケジュール)」とは何か?について解説してみたいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 Sch(スケジュール)とは? 配管を選定するには、サイズ(mm)と長さ(m)と厚みが必要になります。サイズはきりのいい数字で呼び径A(エー)やB(インチ)などを使用します。 Sch.〇〇はスケジュール番号と呼び、配管の厚みを表す指標になりま ...
最近の工場では、新設の段階からステンレスの配管を採用することが多いように思います。 以前は、配管の材質は基本的に鉄だったので数年使用すれば錆が出てきて、それが要因でバルブなどを何度交換しても固着してしまうなんてことがあったかとおもいます。 ステンレスにすれば、鉄に比べて錆びにくいので、長期的な運用を考えればステンレス配管にしておくほうがいいということになります。 では、ステンレス配管はいい事ずくめなのでしょうか?今回は、ステンレス配管にすることによるデメリットについてまとめてみたいと思います。 こちらの記 ...
気体にエネルギーを与えて輸送する送風機にはファン、ブロワ、コンプレッサーという3つの呼び方があります。 今回はファンとブロアとコンプレッサーの違いについて解説したいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 1. ファン、ブロワ、コンプレッサーの違いとは? この3つの呼び方の違いは、与える圧力の差によって決められています。 1-1. ファン ファンは圧力比が1.1未満の送風機のことを言います。 圧力比とは送風機の入口と出口の圧力の比率のことです。 例えば ...
ポンプや送風機の異常運転状態の1つに「サージング」という現象があります。 キャビテーションと並べられて比較されることがよくありますが、発生原理は全く違います。今回はサージングとは何か?どんな対策をすればいいのかについて解説したいと思います。 1. サージングとは? サージングは一般的にはポンプや送風機に使われますが、同じ言葉でエンジンやタービン、ビールなどの業界でも違う意味で利用されているようです。 ついでなので、他の分野での「サージング」の意味についても記載しておきます。 ポンプのサージング 送風機のサ ...
物体の流れを止めるバルブには様々な種類があります。どのバルブも「流れを止める」という目的は同じですが、場合によってどのバルブを選択すればいいか迷うことってありませんか? 今回は、そんなバルブの中でも代表的なボールバルブとグローブバルブの使い分けについて解説したいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもご覧ください。 ボールバルブとグローブバルブ ボールバルブとグローブバルブの特徴を比較すると以下のような違いがあります。 ボールバルブ グローブバルブ 全開、 ...
配管の圧力損失を計算する際には、まず、流体が層流なのか乱流なのかを見分ける必要があります。それを見分けるために指標となるのがレイノルズ数という無次元の値です。 今回は、層流・乱流とは何か、レイノルズ数はどんな式で求めることができるのかについて解説していきたいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 層流・乱流とは? まず、物体の流れには層流と乱流と呼ばれるものがあります。この2つの違いについてです。 層流 層流は、流体が規則正しく運動している流れのこと ...
配管や熱交換器に保温をすべきか検討するのに、現在の放熱量を簡単に計算したいときってありませんか? インターネットで検索すると、放射率などの難しい計算が出てきますが実際にはそこまで精緻な値っていりませんよね。ということで今回は、簡単な条件から放熱量の概算を出す方法や保温の効果について書いていきたいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 1. 放熱とは? 放熱とは、熱エネルギーを周りに拡散していくことをいいます。 熱エネルギーは、常に温度の高いところから ...
熱伝導率と熱伝達率の違いは何でしょう? どちらも熱の伝わりやすさを表しているので勘違いすることもありますが、この2つは似ているようで使い方が違います。 今回の記事では、熱伝導率と熱伝達率の違いについて解説してみたいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 熱伝導率と熱伝達率の違い 熱伝導率と熱伝達率の違いは、同じ物質内で熱が伝わるか、別の物質同士で熱が伝わるかの違いです。 熱伝導率、熱伝達率のそれぞれの言葉の意味を見てみます。 熱伝導率 熱伝導率は、1 ...
プラントや工場で自動化を進めていると「カスケード制御」という言葉を聞くことはないでしょうか? フィードバック制御やフィードフォワード制御については、イメージ的に理解しやすい方も多いと思いますが、フィードバック制御を複数組み合わせるカスケード制御は理解しにくい制御方式の一つです。 今回は、カスケード制御とは何か、メリットやデメリットについて解説してみたいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 カスケード制御とは? カスケード制御は、二つの制御ループ(マ ...
安くて大量のエネルギーが得られる重油は、昔から工場や発電所などで多く利用されています。今では天然ガスやLPガスが増えてきて大分減りましたが、以前まではほとんどのボイラーが重油炊きでした。 重油というと、大型タンカーが輸送中に事故に合い、環境が破壊されるなんて話もよく聞くかと思います。 ところで、この重油は性質によって3つの種類に分けられるということはご存知でしょうか?今回は、エネルギー管理士試験でも頻出の重油の種類について解説したいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという ...
圧力の高い流体を使用する場合には、機器や配管に安全弁を設置します。 この時、安全弁の設定圧力をどう決めればいいか分からないことってありませんか? この記事では、安全弁の設定圧力を決める基準とどんな時に設置するかを記載しています。 1. 安全弁とは? 安全弁は逃し弁とも呼ばれ、内部の圧力が異常に上昇した場合に開弁させ、圧力を降下させる機器です。 全量式、揚程式、レバー付きやレバーなしなど様々な種類がありますが、基本的な役割はすべて同じです。 2. 安全弁の設定圧力の基準 安全弁は、ある一定以上になると開弁す ...
工場やプラントで燃料として使用するためにはいくつかの条件を満たす必要があります。 それらを満たした燃料として、よく使用されるもので大きく、気体燃料、液体燃料、固体燃料の3つに分けることができ、用途や情勢によって使用する燃料が変化します。 今回は、気体燃料について、その種類や特徴について記載していきたいと思います。 気体燃料とは? 気体燃料とは、燃焼によってエネルギーを得るために使用される気体状態の燃料の総称です。 代表的な気体燃料には、天然ガス、プロパン、ブタン、水素などが含まれます。これらの燃料は、主に ...
工場やプラントでは、日々大量の燃料を燃焼させることでエネルギーを得ています。最近では、再生可能エネルギーの割合も増えてきましたが、それでも全体の割合だとわずか3%程度で、まだまだ化石燃料の重要性は以前と変わっていません。 ただし、燃焼させて熱を得るという目的は同じでも、燃料には様々な種類があり、それぞれに特徴があります。今回は、燃料とは何かについて解説します。 燃料とは 燃料とは、化学的または物理的なエネルギーを貯蔵し、それを必要に応じて放出する物質を指します。 燃料の主な役割は、エネルギーを効率的に供給 ...
大型の工場では、事業継続性などの観点でコージェネレーションを導入する事業者も増えています。 コージェネレーションを利用すれば、割高に購入している電力を割安に自前で作り出すことが出来るので、工場全体のエネルギー原単位を下げることができます。 今回は、コージェネレーションのメリットや検討するのに必要な条件について考えてみたいと思います。 コージェネレーションとは? コージェネレーションとは、ガスタービン、ガスエンジン、ディーゼルエンジン、燃料電池などを用いて電気を発生させたのち、その排熱を利用して蒸気や温水を ...
最近、ボイラーの燃料で重油を使用しているところが減り、都市ガスやLPガスなどを使用する工場が増えてきました。 このような燃料転換がなぜ進むのか、今回はボイラーを重油からガス炊きに変更するメリットについて書いてみたいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 1. ガス炊きボイラーとは? ボイラーは、燃料を燃焼させて水を蒸気に変化させる機器ですが、この燃料に重油を使用する場合は重油炊きボイラー、LPG(液化石油ガス)やLNG(液化天然ガス)などのガスを使用 ...
ボイラーの燃焼室、過熱器などの燃焼装置では、燃料に含まれる物質が原因で配管や熱交換器を腐食させることがあります。 この腐食には「高温腐食」と「低温腐食」の2種類があり、それぞれの発生要因や対策が違います。 今回は、燃焼装置で注意するべき「高温腐食」と「低温腐食」の違いについて書きたいと思います。 高温腐食と低温腐食の違い 高温腐食と低温腐食の最も大きな違いは、読んで字のごとく腐食が発生し始める温度です。 高温腐食では、成分にもよりますが大体500℃以上、低温腐食では120℃程度で発生し始めることが多いです ...
多くの工場で最も多くエネルギーを使用する機器はボイラーです。 ボイラーのに使用される燃料は、その時の燃料にかかるコストなどを考えながら計画されますが、その種類は様々です。 今回は、ボイラーに使用される燃料の種類とその特徴について書きたいと思います。 1. 燃料とは? 燃料とは、一般的に酸素との燃焼によって光源,熱源または動力源として利用できる物質の総称です。 燃えて熱を発生させれば、その熱で蒸気を作れるため、燃えるものであれば何でも燃料として扱うことが出来ます。 但し、現実的な問題で、環境汚染や灰の処理な ...
紅葉の季節になり、気温が下がることで空気が乾燥してきました。 空気が乾燥してくると、粘膜の力が弱まるため、風邪をひきやすくなります。 皆さんは乾燥対策をしっかりされているでしょうか? さて、今回は湿度について考えていきたいと思います。 空気中の水分量を表す「湿度」。 普段何気なく使っている指標ですが、ちゃんとした定義を説明できますか? 今回は、「湿度」の中でも「絶対湿度」と「相対湿度」の違いについて記載してみたいと思います。 1. 湿度とは? Wikipediaによると「湿度」 ...
洗濯物ってどうして乾くの? そう思ったことってありませんか? 水が沸騰して水蒸気に変わるのは何となくイメージできますが、天日干しや乾燥機で乾かす場合は100℃にして沸騰させているわけではありません。 今回は、何となく分かっているようで聞かれるとうまく説明できない洗濯物の乾燥の原理を科学的な観点で解説してみたいと思います。 1. 洗濯物は乾いた空気に触れることで水分が気化する 空気には水分を含まない乾き空気と水分を含んだ湿り空気というものがあります。 空気は温度ごとに保有できる水分の量が決まっており、その温 ...
蒸気の流量を減圧弁やバルブなどによって絞ると、蒸気の乾き度が上昇したり、過熱蒸気になったりします。 その理由は、流量を絞ることで出口側の圧力は下がりますが、通過するエンタルピー(熱量)が一定だからです。 エネルギー管理士試験では、蒸気の絞り特性として出題されることがありますが、今回の記事では、蒸気を減圧することで乾き度が上昇したり、過熱蒸気になったりする理由を解説してみたいと思います。 減圧する蒸気が湿り蒸気の場合は乾き度が上がり、乾き蒸気の場合は過熱蒸気になります。 こちらの記事は動画でも解説しているの ...
ランキンサイクルでタービンの仕事を求めるためには、タービン入口と出口の蒸気のエンタルピー差(熱落差)が必要になります。 今回は、タービン出口の蒸気の乾き度の求め方、エンタルピーの求め方、仕事の求め方について解説したいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 1. タービンの仕事の求め方 ランキンサイクルでタービンの仕事を求めるためには次の4つのステップが必要です。 タービン出口の蒸気の乾き度を求める タービン出口の蒸気の比エンタルピーを求める タービン ...
ランキンサイクルはクラウジウスサイクルとも呼ばれ、発電所などで蒸気を使用し、燃料エネルギーから電気を発生させるための熱サイクルです。 非常にメジャーで、多くの発電所ではランキンサイクルを利用して発電を行っています。この記事では、ランキンサイクルとは何か、効率や種類について解説したいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 ランキンサイクルとは? ランキンサイクルは蒸気を使って電気を発生させる際に利用される熱サイクルです。火力発電、原子力発電、バイオマス ...
ボイラー効率とは、燃料の持つエネルギーの何%が蒸気に変換されたかという指標です。 ボイラー効率を計算する方法としては2つの方法があります。 入出熱法 熱損失法 どちらも計算すると当然同じ結果になるのですが、考え方が違います。 ボイラー効率とは ボイラーは、燃料などの熱で水を蒸気に変換するための機器ですが、入ってきた熱量をすべて蒸気に変えられるわけではありません。 当然、排ガスや定期的に行うブローなどにより、熱の一部は外に捨てられてしまいます。 今回は、わかりやすくするためにブローは無視して、排ガスのみで熱 ...
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